クリスタル・ロード 0078 賭博場 発見
「なんか面白そう!」
「そうだな、少し見ていこう、古代の賭博場か?」
「そのようだ、これは興味深いな」
「もう、しょうがないですねえ、ネビィはあんなことに夢中になってはダメですよ」
フレアは呆れながら付いていく。
その区画には球をたくさん入れた大きな球形のかごや、斜めになった台に穴がいくつも開いたもの等変わった物が色々ある。
三人は夢中になってそれぞれ試したがって見つめている。
そのうちレバーやつまみをいじり始め、仕掛けが作動している。
「これで、こう・・かな? よっ 」
ガシャガシャと音がして円盤が動き出すと、音楽が鳴っている。
しかし動きはするが何も起きず、そのうち止まってしまう。
「あれ? これだけ?」
他の二人も同様のようで、何も起きていない。
何か変だなと思い、台をよく見ると小さな四角い穴があって、丸い絵が付いている。
「何かここに入れるのでは?」
指さして言うと、フレアが少し離れた所で手を上げた。
「これじゃないかしら? コインらしきものが有りますよ」
金額の入っていない何色かの、陶器のようなコインがあり三人はさっそくそれで試してみると今度は鐘が鳴ったり、ボールが転がり出たりしている。
この色違いには何か意味が有るのかと台を見ると、説明が表示してあるようだ。
しかし、古代文字なので大体の意味しか分からない。
色により出方が変わるようなので、金額に相当するのだろう。
そう伝えると皆なるほどと頷いている。
そのうち一人の台から金や銀の別のコインが出始めた。
「おお!」
当たったようだ、あれは景品なのだろう。
「むむ~ 、グロフに出たら俺にだって・・・」
そんなことを言いながらレバーを何度も引いているが、外れているようだ。
「わたしだって~~、 くーっ 来い来い!」
大きな籠がガシャガシャと回って中の玉を掻き回していると、一つ玉が出て来た。
そしてシャラ~ンと鐘が鳴ると、動物の人形が別の穴から転がり出た。
こっちはこれが景品なのか?
「お金じゃないけど、可愛いのが出て来た~」
ジョーイがそんなことを言って喜んでいるが、意外にあんな物が好きなのだろうか。
「あら、私もやってみようかしら」
フレアまでそんなことを言い出して、台を見て回っている。
しかしどの台からどんな景品が出るのかわからない・・・よな?
「ねえこれ、台を壊しちゃえば景品が取り出せるんじゃ?」
終いにジョーイがそんなことを言い出した。
「おいおい止めとけ! これがどれほどの値が付くかわからんだろ?」
「そうだな、それに別の問題もある!」
「別って・・何?」
「賭博場とは普通見張りがいるもんだ、不正行為に備えてな・・だとするとここでどんな罠が作動するかわからんだろ? 無人だろうと危険だぞ!」
「そ、 そう?」
なるほど、ここの技術ではそれも有り得るか? やばそうである。
特別な魔物やゴーレムなどが出たら? あるいはもっと危険な仕掛けか?
「それはまずいですね、閉じ込められて毒霧噴出なんてことも・・・?」
「わ、わかったよう」
「まともにやらないといけないようですね?、なら私もしますか」
フレアもし始めたので仕方ない、自分もするか、 仕方なく。
・・・・・・・・・・・・・・・・
でも 出ないぞ、 良いのが出ない。
百回以上試しているが・・・・・・・・・・・・・・・出ない!
皆そのようで、少しイライラとしている。
フレアが台を叩いている、叩いちゃダメだろうて・・ああジョーイまで・・
するとフレアの台にバチンと火花が飛び、フレアが弾かれて倒れた。
ジョーイの台ではシュッと霧が出て、目を抑えて倒れた。
「痺れた、イタタタ!」
「目が痛い、目があああ 目があああ~~~」
二人が苦しんでいる、これは罠にかかったようだ、 と言うより罰か?
「全く二人とも何やってんだ」
言いながらレフは痛そうに手をさすっているが・・・・。
仕方なく自分が冷静にやらなければと、でもまだるっこしく次々にコインを入れて操作していく。
中断しているジョーイとフレアの分のコインも入れて試すと後ろで今までと違う大きな金の音がした。
振り返るとそこから青白く輝くコインが転がり出た。
「これは・・もしかして?」
グロフがやって来てコインを拾って言った。
「おお、 やったな! これは大当たりだろう」




