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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0075  下の階層へ

 遺跡に金属的な音が響くが、相手は金属ではない。


だが堅くて刃が弾かれる、動きは遅いがとんでもない防御力だ。

しかも体力が有るのか、まるでひるまず向かって来る。


 「矢も弾かれるよ」

「物理攻撃はだめか、魔法ならどうにかなるかな?」


「火炎魔法はダメだぞ!、地下なんだから」


地下だと空気やガスの問題があるか、それなら・・

「水はどうですか? 水で覆っておぼれさせるのは?」


 「フレアの魔法はパワーがあるが、制御が苦手でな、無理だ!」

「そうなの、ごめんなさいね」   


 だとすると、どうするか?

「爆弾を使うのは? 」


「遺跡が崩れるとまずいぞ、ここはまだしも下の階層がやられると」

痺れ薬入りの煙幕は・・・自分らもやられそうか、屋内だし。


 剣を振るいながら、急所は無いかと探すがまるで刃が通らず跳ね返される。


「どうすればいいの~?」

早くしないと皆のスタミナが切れる、何か方法は? と焦って来る。


 何か方法は? 何か? そう思っていたら一つだけ思いついた。

先ほど見つけた剣、不思議な素材の剣があったのだ。

荷物から取り出して鞘から抜くと、やはり妙な色で輝いている。   


 魔物に向かって軽く斬りかかると、ジンッ と変わった音がして、手ごたえも

不思議な感じだった。

斬れたのか? と思うとそこから青い血が噴き出した。


「「「斬れた?!」」」

自分も驚いたが、皆驚いている。

軽く振っただけなのに、あっさりと斬れた、さっきまでが嘘のように。


 刃を見るが、欠けている様子は無い、これなら全力で問題ないだろう。

魔物の首を狙って振り切ると今度は首が落ちた。

これならいける!


 次々に首を狙って振り切っていき、全てを倒すことが出来た。   

剣を振って血を落として鞘に納めると、皆茫然として見つめている。


  剣の事を説明すると皆ようやく納得したようだ。

「やっぱりここの物はお宝だな、剣さえ普通と違う、こりゃどれほど金になるか」


 「でも他のパーティは大丈夫かな? こんなのがいるんじゃ」

「他を心配してもしょうがない、自分らが生き残らないとな」


 「そうですね、でもここの宝持ち出すのは大変そう、何度も来ないと」

確かに、この量では馬車でもないと何度になるか気が遠くなる。

それに本当に探しているのは呪術の本なのだ。


 「これはよほどいい物だけ持って、後は記録に徹しながら探索だな」

「じゃあ、そろそろ降りますか? ここのはとりあえず置いといて」   


 「そうするか、それに俺達もいい武器を探すのが良さそうだ」

「全くだ、そちらを優先するか」


レフ達もこんな武器を持ったら、かなりの戦力アップだろう。

 下ではどれほどの魔物が出るかもわからないし、その方がいい。

 でもあの武器庫で珍しく感じたのはこれだけだった。


      ====================


 

 階段を下りていくと、どこからか水の音がしている。

「川か? こんな所に?」


 音に向かって歩いていくと、細い水路が有り、その先には噴水がある。

しかも小さな音で鐘が鳴っている、 仕掛けがあるようだ。   


 「いい雰囲気ですね、貴族の区画でしょうか?」

「ずいぶん早くないか? 一つ降りただけで・・・」


 「でも上層よりは良さそうですよ、床や壁も質が上みたいですし」

艶のある素材で、装飾的な明かりもある・・仕組みがわからないが。


そして噴水の先には、(おごそ)かな雰囲気の区画がある、あれはどこかで見た?

「あれ、教会かしら?」


そうだ、教会の感じに近いのだ、装飾は違うが雰囲気が。


「行ってみるか」

レフが先頭に立って向かうと、両側からコロ~ン コロ~ンと控えめに金の音がした。   

まるで迎えられているようだが、人影は無い、 これも仕掛けなのだろう。


 少し階段を上がると両開きの大きな扉が有り、細かい装飾付きで、不思議な質感で輝いているが、金属のような陶器のような妙な手触りだ。

それは軋むことなく、触れただけで滑らかに開いていく。


 奥からさわやかな空気が漂って来るかのようだった。

締めきってあったはずなのに、そこの方が良い空気かと思うほどなのだから。


「これは・・・・・」


フレアがそう言って茫然としているが、無理からぬことだ。

元貴族のフレアさえ茫然とするその場所は、空気も光も外とはまるで違っていた。





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