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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0073  地下1階

 自分たちはジョーイが斥候をした方向を探すことになり、それぞれのチームが別の方向へと進んで行く。


 レフとグロフが前衛で、自分は中段で左右と後方を警戒しフレアは後方に位置し、ジョーイは斥候と弓での援護役だ。


 「ワクワク! 久しぶりに本格的な探索だねえ」

「浮かれるなよ、何が出てくるかわからないんだからな、未探査の遺跡なんて」

「ネビィは遺跡初めてだろ、俺達から離れないようにな」


 「はい、皆の動きに合わせますよ」

自分も戦いには自信あるが、モンスター関係は勝手が違う


 「頑張って皆でお宝見つけましょうね~」    

それはあるかな? あるといいんだけどね。



 広めの通路を進んで行くが、どっちにどんなものが有るかわからないから見つかる物は運次第だろう、呪術関係の資料だってあるかどうかだ。


 それにしても広い、通路の分岐まで入れるとどれほどあるのか、調べるのが大変そうで全部となると何日かかるのか見当がつかない。


 「どこから調べる? 端から全部見ていくか?」

「お宝目当てなら、貴族の屋敷や王宮を探すべきだろう、または大商人か?」


 「そうですね、街の構造から上流階級は大体わかるはず」

「中心部か、上端又は下端よね、それに広い部屋と庭」


 フレアは元貴族なのでなおさらわかるだろう。   

 


 そう話していたら、遠くから騒ぎが聞こえて来た。

  

 「別のチームが魔物と遭遇したらしいな」

やはりいるのか、いなければ楽でいいと思ったがそうはいかないか。


剣を背中から抜いて準備しておこう、魔物相手なら遠慮が要らないからな。


 「止まれ、こっちにもいるようだぞ、妙な音がする」

「私が見てくるよ、援護よろしくね」


フレアがすでに詠唱を始めているが、これは支援の魔法だろうか? それとも防御か


 ジョーイが通路の先から合図をしてくる、右奥の区画に何かいるらしい。

グロフが槍を構えて向かっていき、レフが続く、角から確認すると大きなトカゲのようなのが3匹見えた。   


 ジョーイが弓を構えるとそいつらの先目がけて射った。

外したかと思ったが陽動らしく、グロフたちがすぐに飛び込んで攻撃すると反応の遅れたそいつらはすぐに倒された。


 「久しぶりだがまあまあだな、魔石を採るか?」

「貰っておこう、素材までは取ってられないから捨てていくが」


「お宝目当てだもんね」


 本当はお宝じゃないのが心苦しいが、無いとは限らない。

あれば儲けものと思っておこう。


「次はどっちだ?」

「下に向かうべきかしら、ここは地下1階だし、この階層に上流階級区画が無ければだけど」


「階段を探しますか?」


「まずこの階層をざっと見て回ろう、それから階段を」

「了解!」


 皆で周りをよく見て貴族区画を探すが、どうも公共的な場所の様で広場や公園に近い環境に見える。

広くはあるが豪華な感じがしない。


 するとばったりと魔物に遭遇した。

ハムスターに似た丸みのあるものだが、大きい! 2mほどありそうなのが6匹、おとなしく固まっていたので気付くのが遅れた。   


 そいつらが一気に向かって来た。

「「おっと!」」

グロフとレフが左右に分かれて脇から攻撃し、自分は中央で待ち構え斬りかかり、フレアが後ろから魔法、雷撃を放った。


 残りにジョーイが矢を射ち、当たったが倒れない。

他のもしぶとく向かって来るので、何度も斬りかかるとようやく倒れた。


 「ふう、ちょっと疲れたな!」

「妙にタフな奴らだな、攻撃は低めだが普通の魔物と違うような?」


 グロフが思案気に言うのが、少し気にかかった。

それにしてもあいつらはなぜここに固まっていたのか? 巣なのだろうか?   

 

 よく見ると袋があり、粉が少しこぼれていた・・・食べ物だろうか?

あいつらが生きるためにも食料が必要か、それはそうだが。


 「これは・・小麦ですかね?」

「う~~ん、違うようだが・・・ 何の粉かはわからんな、袋の文字も不明だし」


古代文字か?  ムーアさん達ならわかったかな?

一応メモしておいて、後で聞こう。


 

 その後辺りを調べていたら、武器庫らしき所があって剣や槍などが見つかった。

高級品ではないがまあまあの品なので、衛兵用だろうという。

その中に不思議な光沢の剣があったので、貰うことにした、 予備にしようと思う。


 先に進むとようやく階段が見つかった。   



 「まだこの階層が残っていますが、行きますか?」

「う~~~ん」


 皆、迷っているがどうすべきか? 立ち止まっていたらジョーイが声を上げた。



「見て見て、これ! ちょっと綺麗よ!」





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