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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0071  街の防衛計画

 「何かいい方法は無いかな? 次に失踪する場所の感知や妨害するとか、無効化でも出来ればいいんだがな」


「そうだねえ、でもこれは古代呪術のようだから、推測はできても解析まではねえ、大まかな感知なら何とかなるかなという程度だね」


「そうか、それなら仕方ないか」


「あの~、 住人に知らせて注意させるのはダメですか?、失踪者が出ていると公表して一人にならないようにと促すのは?」


「う~~ん、公表かい? 騒ぎになるし、疑心暗鬼(ぎしんあんき)がね、心配なんだよね」


「そうだね、疑りあって(いさか)いが頻発しそうだね、そりゃ」


 そうか、内乱になりかねないのか・・・ 宗教団体と言っても普通の服なら区別がつかないかな?


「古代呪術は記録が少なくてね、発掘されたのはごく一部だから不明な点が多いんだ、そいつらはどこで手に入れたのかのかねえ~」


  古代呪術・・・・ 前にも聞いたような気がするが・・いつだっけ?


「前に見た首飾り、あれ古代の物だと言ってませんでしたか、ムーアさんが」


「何?!」

お婆さんが睨むと、黙っていたムーアがぎょっとする。


「あ、あれは呪術品じゃなくて、古代装飾だと思うよ、貴族のね」


 「古代のだって! なら呪術の記録もあるかも、どこだいそこは?」

「わ、私は知らないよ、物を見ただけだし、彼が持ってきたの!」   


 そうだ、あれは4人組グレン・グロフから貰ったもので・・山でだっけ?


「あれは冒険者が山で見つけたとか? 小さな遺跡があったとか聞きました」


 「なら、そこを探せばまだあるかもね、呪術関係も・・」

「ほう、ならば発掘を進めるべきか!」


領主が乗り気になっているか? しかし間に合うのだろうか、今回の事件に!


 「その冒険者はどこに? すぐ話を聞いてくれないか?」

「うちで働いていますので、帰ったら聞いておきます」



 「では、私は遺跡発掘の準備をしておこう、場合によってはダンジョン探索もかな、ギルドで冒険者を集めるか」


 「じゃあ、わたしゃ呪術感知の陣を組んでおこうかね、町全体だと時間がかかるが、ミミィ、あんたもやるんだよ、いいね!」

「は~~い・・・」


 渋い顔だが仕方ないだろう、お気の毒だが。



        =====================


 帰宅後さっそく4人組に話して、遺跡調査の依頼をする事になった。

もちろん金になると伝えると、久しぶりの冒険とあって皆乗り気である。

 

 家の仕事はしばらくできないが、両親には話してあるので問題ないし、当然自分も行くことになる。


 急ぎの仕事でもあるし、領主主導なので大規模になりそうだ。

しかも敵に気付かれないようにしなければならないはずだが、どうするのだろう?  



 そう思っていたら、いつのまにかギルドで変な噂が流れていた。

近くの山で宝が発見されて、領主が欲に目がくらみ捜索隊を結成したとの事だ。

 

 なるほど、不名誉な噂をあえて流したのだろう、なかなかの名君(めいくん)だ。



 遺跡調査の準備を進め、馬車に荷物をどんどん積み込んでいく。


 もちろん武器や食料、水もだ、あの辺は大型の魔物はいないはずだが何があるかわからないので思いつく限りの準備をしていると、リーシャがやって来た。


 「私も行きたいけど、お母さんがダメだって・・・」

「危ないからね、ダンジョンに入るかもしれないし、魔物も出るかもだし」


 「魔法をもっとやっておけばよかった、う~~~っ」

「じゃあ先生やアイリスと鍛えておいてよ、そのうち出られるかもね」   


 そこへフレア達4人がやって来て、荷物を載せ始めた。


 「私達が付いてるから、大丈夫ですよ~」

「そうそう、これでもそこそこベテランだしね、戦いもダンジョンも慣れてるし」

「うむ、久しぶりに出られるし、腕が鳴る!」

「任せときな、坊主は俺達が守るから!」


 守られる気はないけど、頼りになる仲間ではある。

場所はこの4人しか知らないはずなので、捜索の中心になるだろう。


 「でも俺達は宝なんて見てないけどな、誰が見つけたんだろな?」

「う~~ん、 それは秘密なんじゃない? 領主様が主導だしね」


 この4人には真実を知らせていないので、そう思うのも仕方ないのだ。  


 「まあまあ、宝が無くても報酬は出るそうだし、有れば儲けもの程度で!」

「そりゃそうか、噂は尾ひれが付くしな、有ったって、少しだろうから」


「そうですね、宝はロマンてことでいいのでは?」


 そんなことを言いながら準備を進め、いよいよ出発となった。

 

 街にはお宝の噂が広がり、浮かれた雰囲気になって来たが、その(かげ)では呪術師の二人が別の準備を秘密裏(ひみつり)に進めていた。



 呪術感知の陣である。



 そして衛士達にも秘密の命令が下され、街の空気とは真逆に張り詰めた意識が広まっていき、緊急の体制が敷かれていたのだ。



 


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