表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/200

クリスタル・ロード 0069  失踪者発見!

 規則の心配はともかくとして、人命を救うのが先だろう。

床板を少し剥がし、彼を引き上げる。


「ムーアさん、回復魔法使えますか?」

「私、魔法は無理!  そっちはしてないから」

首を振りつつ、苦笑している。


それでは衛士を呼んで運んでもらうか? 夜中だから騒ぎになりそうだが。

そう考えていたら、(ひらめ)いたことがあった。


 開発したばかりのポーション入り絆創膏と包帯、これを持っていたのだ。

こいつを取り出し、心臓の上や首筋に貼り、包帯を手足に巻き付けた。

これで徐々に回復するといいんだが。   

ベットに寝かせて、タオルケットをかけておいた。


 「ふう、これで何とかなるかな?」

「うん、生気が戻って来てるよ、やるじゃない!  さすが衛士隊だね」


 「夜明け前に衛士に来てもらうので、ムーアさんは家に戻ってください、後は自分だけでいいので」

「いいよ、いいよ、どうせだから最後まで付き合う、結界だって必要でしょ?」

「すみませんね、眠いだろうに」


「私は野宿で慣れてるし、屋根が有るだけましなの、平気平気」


 そう言って笑うので、部屋にあった毛布を持ってきてはおり、二人で壁際にくっついて座った。   

小さな声で話していたら、そのうち眠くなってきた。


      ==================


 翌日、衛士の馬車が来てひっそりと運び出していき、二人で帰宅すると父さんにすぐ見つかって「朝帰りか?」と、聞かれた(結界が効いているはずでは?)。


 「変な事考えないで下さいよ、仕事です、仕事!」

経緯を説明すると、さっそく領主の元へ連れて行かれることになった。



 「話は聞いたよ、失踪者が生きて見つかったそうだね」

眠そうにコーヒーを飲みながら領主様が言い、メイドさんがこちらにもくれる。

3人でテーブルを囲んで今後の捜査について話すことになった。


「なるほど、その呪術師ムーア嬢により捜査が進展し、発見、保護・・だね」   

後ろで秘書らしき人が手早く記録している。


「進展したのはいいが、その子信用していいのかね?」

「絶対とは言えませんが、他に頼れる人がいなかったので・・」


「そうだね、まあその子についてはこちらで調べておこう、それと、無断侵入及び、床を剥がした件だが」

「それに関しては私が責任を」


父さんがそう言うと、手を上げ領主が止める。


「いい、いい、発見した功績で許可するよ、事後承諾(じごしょうだく)だが」


一番の心配が無事済んだので、ほっとする。


「後は保護された彼が回復次第、話を聞くことになるが、ムーア嬢にも聞きたいな、

呪術に関して等、参考になりそうだからね、今度連れてきてくれ」


 あの人が渋らなければいいけど、まあ仕方ないか。

関わった以上は見張りだって付けられるだろうしね、(こら)えてもらおう。


「では今日の所は解散としよう」


 そう言われて帰ろうとすると、振り向いて呼び止められた。


「言い忘れてたけど、捕まえてたあの賊ね、ゆうべ深夜のうち急死したそうだ、原因は不明! 呪術とやらに関係あるのかもムーア嬢に聞いといてよ」


 急死?!  驚いた! そんなことが?

床下の彼を見つけた事と関係あるのだろうか? ・・・・・・・・・・・・。



 帰宅するとムーアさんは一人、昼寝していた。   

そりゃ徹夜だったけどね。



       ====================



 「ああ、そりゃ 『呪い返し』だね、 術者に反動が来たんだ、見つけた彼を術から解放したからね、術の矛先が変わったわけさ、わかる?」

起きてからムーアさんが話す。


・・・そうか、生贄(いけにえ)の代わりが必要になるからで・・・う~ん、無体な事だが、犯人は自業自得(じごうじとく)か。


「一体何のためにやっていたんでしょうね? それとまだ被害者が出るのかですが」


「それは・・・私の知ってるのと体系が違うし、知識レベルも段違いだし、そこまでは私でもわからないな~~、領主に呼ばれても大して話せないよ~」   


「それでもいいんで頼みます、特別給金出しますから、多めに!」

「えっ、 ホント?」


最近我が家は景気がいいので、言えるのだ。


「ほんとに!」


        =============



 後日、発見された失踪者は意識を取り戻し、事情聴取に応じて話し始めたそうだがいまいち要領を得ないらしい。


記憶がはっきりしていないようであるが、どうも隠し事があるらしく口が重いかと。

わかったことは妙な宗教団体らしいことで、そこに誘われたとのことだ。


しかし自分が生贄にされかけた事を知っても、さほど感じていないのかの様子とか、

何を考えているのかわからない。




 そして数日後、更に進展があった。




最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

「面白い」、あるいは「まあまあだな」と感じた方は下の欄の

☆☆☆☆☆への入力、ブックマークに登録などをしていただけると

作者への強化や回復魔法となりますので、ご助力をお願い致します。

             m(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ