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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0068  二人で極秘調査 (違法?)

「捕まえたはいいが、まるで吐かん!」


父さんは帰宅早々そう言って、疲れたように椅子に沈んだ。


「あの賊の一人ですか? あれは盗賊団とか秘密結社なんですか」

「それもわからんな、あの図形の意味も不明だし、魔法か宗教なのかもな」


「失踪した人も?」

「それも不明だ、自宅の内外を探したが、手掛かりまるで無しだな、家を壊せばあるいはと思うんだが・・・」


「壊すのは特別な許可がいるんですよね」


父さんはぐったりとしている。


「お風呂に入ってらっしゃい」   

母さんに押されてだるそうに歩いていく。



う~~ん、 ここはあの人に何とかしてほしい・・・・・。

失踪した人達の為にもだな。



「・・・・・・・・・・」


「呼んだ?」

「わっ!」


ムーアさんがいきなり目の前にいた。

家の中に!


「何でここにいるんですか!」


「だって呼ばれた気がしたから」   

などと当然のような顔をしている。


う~~ん、仕方ないと、丁度母さんがいないので手短に状況を話すと、妖しげな顔でムーアさんが言った。


「じゃあ、後で行ってみる? その家!」



       ===================


 夜中に家を抜け出して、その家に向かう。


簡易的な結界を張ってあるので見つかりにくいそうだが、ランプやくぎ抜きなどを持っているので捕まるとまずい状況だ。


なので街の反対側のあの家へ、急いで向かう。


20分ほどでたどり着き、潜り込んでほっと一息ついた。   

真っ暗だが、やっと落ち着いて周りを見ると目が慣れてきて、屋内が見える。

あの図形は回収されて無くなっているが、他はそのままのようだ。


「ムーアさん、何か感じますか?」


「うん、ちょっと静かにしててね・・・・」


ランプを取り出し床に置き、ハンカチを掛けて光が広がらないように点けて、床だけ照らされる程度にしておくと、彼女は目をつぶって集中している。


夜中なので辺りは静まり返り、人の気配は無い。

何かを探るようにやや手を伸ばし、ゆっくりと体を回し手を周囲に向けている。


壁から天井へ回りながらむけ、そして次は床へ。


「ん?」   

反応があった・・のか?  眉をしかめ手を止めて首を傾げた。


「ん、ん~~ ?  ん?」


空中をなでるように、動かしていると、はあ~ と、息をつく。



「隣の部屋にいるね、床下・だ」


床下!  それは埋められているのだろうかとまず思った。


   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 隣の部屋へすぐ向かって床を調べると、わずかに傷の付いたところがあり、その下に気配があるという。

くぎ抜きを取り出して床を()がすことにしたが、音を立てないよう慎重に、だ。


 ゆっくり、かつ傷をつけないように釘を緩め、板を剥がして床下を照らす。  

そこには横たえられていた何かが見えた。



「やっぱり・・か!」

ムーアさんが、絞り出すように言って頭に手を当て、苦し気だ。


 どうするかを悩んでいるようだ。


「運び出しますか?、それとももう死んでいますか・・・?」


「う~~~~~ん ・・・・・・、 手を出していいのかどうか・・・」


手を出すとは? 何か問題でも? ???

儀式? 呪術に関することだろうか?


「でも、ほっておけば、死んでしまうか・・・・?」

死んでしまう?  ではまだ生きているのか?   


床板を上げた隙間から、彼女は腕を入れてゆっくりと伸ばし触れようとしているのか

肩まで床下に入っていく。


そして指先が触れた頃、部屋全体がぶるっと震えたかのように見えた。

実際に動いたわけではないが、そんな妙な感じだった。



()けた・・かな?」

そう言って床から腕を抜くと、ほうっと息を吐き床に寝転んだ。


床下を見るとさっきまで黒ずんだ塊の様だった物が、今は人の姿となり青白くはあるがゆっくりと呼吸をしている。


「生き・てる!」


 つい声に出してしまったが、これからどうすべきか?   

本来床や壁を()がすのは特別な許可がいるらしいのだが、さて、どうする?


夜中に侵入するなども、言語道断(ごんごどうだん)だろう。


 ・・・・・・・・・・・・


これは、解決したのか、してないのか、 それが問題だ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 。





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