クリスタル・ロード 0062 ポーション開発
本気出しました、おかげで疲れました。
「はい皆さん、お疲れさまでした~ では自分の問題点などよく考え対策をしてください いいですね」
ぐったりとし、座ってお茶を飲んでいたらリーシャが後ろに回って何かしている。
肩のあたりに手をかざして念を込めているのだろうか?
「ん?」
「動かないでね、今、回復魔法をかけてるから」
そう言って更に気合を入れている。
「出来るようになったんだ、いつのまに?」
「少しだけね、でも頑張ってレベルアップするから、 う~ん!」
「リーシャは攻撃より回復とか支援系の方が向いてそうね」
フレアが来て笑顔で言う、冷やかし気味である。
「お母さんにもそう言われたんですよ、攻撃だと上達遅いって」
「いいじゃない、ネビィの支援担当で、頑張って!」
少しずつだが、確かに身体が楽になっていく、これはいい。
初歩でこの程度なら期待できそうだ。
「それにしてもネビィ一人で敵の役は大変ね、うちの男性二人連れて来ましょうか?」
「いいんですか、魔法塾に入っていないし、仕事もあるのに」
「いいのよ、 鍛錬になるしレフなんて練習サボって体なまってるから」
「あ~、そんな事言ってましたね」
5分ほど経つとすっかり楽になった。
「ふう、 どう?、どんな感じ?」
「すごくいいよ、疲れが吹き飛んだ、 これならかなり上達しそうだな」
「えへへ、 そう?」
などと言っていると、フレアが一人にやけている、何なのかな?
「そうだ、ネビィ、固形のポーションの試作品出来たよ、試す?」
「あ、試す試す! 早かったね」
「固形ポーションて、何?」
リーシャが取りに行くとフレアが不思議そうに聞く。
「言ってませんでしたか? 携帯しやすくと考えた物なんですが、お菓子みたいに」
「ええ~、液体じゃなくて? そんなのを考えたんだ」
「それに栄養を加えると、回復と食事の両用にできるかもと考えてまして!」
「え~~~~っ」
「しかもこれを販売して収入アップ、しかも独占販売できればなど・・」
「そこまで・・・・」
「秘密ですよ、パーティー グレン・グロフの収入でもありますから、ね♪」
「あらあら、まるでヤリ手の商人さんのようね」
微笑みながらそう言った。
3人で試食してみると、まあまあという程度となった。
「もう少し甘くとか、果汁を加えるとか味を色々変えてはどうでしょう?」
「そうですね、コーヒーやバター、チーズの味なんかもいいんでは?」
「私は、ハチミツやミルク味がいいかな~」
原料のポーションはうちで安く出せるから、価格を抑えられるはず。
ぜひ母さんと相談しよう。
それに領主様に話して、独占販売にしてもらえるのではと思う。
『なにとぞ、良しなに』である。
でも自分の利益の為ではないぞ、この街と、この国の為だ。
その件を母さん達に話して許可を貰うと、領主には父さんから話してくれる事になった。
「利益の3割を税金として納める事にしてはどうかと思う」
なるほど、それなら通りそうかな、3割で済むかどうかだけれど。
「しかし我が息子ながら、なかなかやるではないか?」
「あなたは商人のような事は苦手ですものね」
そう言ってくすくすと笑う。
しかし、後日、その話はあっさりと纏まることになった。
「私の頼みを聞いてくれたしね、子供という事も考慮して、税金は2割にしよう!」
おおお! 大成功の予感である。
後は量産化と販売ルートだが、そちらは問題なさそうだ。
4人組+露天商さん+リーシャ+自分で7人、それに昼間だけアイリスが来てくれそうなのだ、 アイリスは退屈しているので喜び、ギルド長の許可が出た。
「ポーションの固形化とは、妙な事を考えたな」
そう言ってギルド長は呆れながらも感心していた。
もちろんギルドでも販売するし、そちらの利益にもなるのだ。
領主のお墨付きがあるので反対はできないだろう。
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翌日、外でムーアさんに呼び止められた。
二人だけで話がしたいというので家の裏手に行くと、どうも嫌な予感がするという。
「あのお婆さんが来たんですか? でも結界があるのでは」
「そっちじゃなくて、この街に関することかな? 地脈の流れが不審なの!」
「でも、災い感知は反応なしですよ?」
首飾りは何も出ていない。
「あ~ 、それは狭い範囲での事だから、地脈はもっと大きな事に関してね」
「大きなとは、この街や国の?」
「そう、詳しくは後で話すけど、悪い流れが出てきてる、魔物が来た時よりも」
「え?!」




