クリスタル・ロード 0055 匿って大丈夫だろうか?
今回短いです、すみません。
「匿ってと、言われたんですか?」
「そう、匿って! 私を!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
意味が解らない、なぜ? 追われているのか? お尋ね者?
「黙ってないで、何とか言ってよ!」
「ああ、ハイハイ、すみません頭の整理を・・・ 、あのお婆さんが、何か?」
「う・・、 その・・」
何やら言いにくい事? 急所を突いたのかな?
「あ、あの人は・・・」
「はい、 あの人は?・・・・」
「私の・・・・師匠、 元、だけど」
「元師匠さんが・・・来るとまずいんですか?」
借金でもあるんだろうか? もっと悪い事とか? やらかした?
「あ、今、悪さしたと思ったでしょう?」
顔を覗き込むように言って来る。
「いえいえそんな事は、 少ししか・・、 よほどの事情だなと」
「違う~ 、悪さなんてしてないー! あのバーさんがねー・・・っ!」
肩を掴んで揺さぶられ、頭がくらくらする。
それから少し落ち着いてくれて話が進む。
「あいつの弟子になるようにって親が決めてね、幼い時からあいつの元で修行させられていたんだけど、呪術ってのが性に合わなくて、逃げだしたのよ」
「逃げだした?」
「私は呪術より、古代魔法や占術の方に興味あってね、色々調べてるんだ、もっともそれだけじゃ金にならないから、露天商やりながらね」
「はあ、学者さんのような・・でも逃げる必要有りますか? 自由なのでは?」
何を学ぼうが、構わないのでは?
そう言うと、凄く渋い顔をされた。
「甘いわね!」
「は?」
「徒弟制度、知らないの?」
聞いたことはあるか、こちらの世界と同じなのかは知らないけど。
「弟子ってのは、一度なったら奴隷と同じ! 学校じゃないのよ! 師匠の許しがあるまで離れられないの、それが徒弟なのよ」
そういえば、そんな話だったか、自分には経験ないが。
「だからスキを見て逃げたのよ、決心してから何年もかかったんだからね」
そんな事情が・・・ 大変だったんだなあ、それで逃げていると。
「でも呪術ってのは魂を追う技があるからね、結界で隠してたのにばれたかな? 隣の街まで来てるなんて偶然とは思えない・・・」
「結界・・・ ああ、 どうりでいつもいきなり現れると思ったら、結界だから?」
「あ、そうそう、姿を見せる相手を決められるのね ♪」
「 結界か、便利だなあ・・・ 」
「でしょー じゃなくて! 、匿ってよ、お願い!」
あ~ そんな話だったか、うーんどうしようか?
「匿うにしても、どこに? 家に? 畑仕事できますか? 馬の世話も」
「畑? したことないけど 馬も・・食べた事しかない」
「う~ん」
「あ、やるやる、覚えます、馬の世話もしますよ~」
居候が一人増えることに。
父さん達も知っている人だから、まあいいということになった。
そしてこれを機会に呪術なども習う機会ができたのだ。




