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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0050  依頼達成、終了!

 帰路は盗賊が出ることもなく、無事に街に着いた。


家に向かう前に依頼の残りを済ませに彼の自宅へ向かい、託された手紙を渡し伝言をしておこう。


「・・・と,いうことで今度は殴るそうです」


おじさんは(うつむ)いて渋い顔をしている。


「まあいいか、なんとか許してくれたのなら、これは次の仕事で値引きしなきゃダメかもな~、 ハア」 溜息をつく。


 でもこれで依頼完全終了だ。

そして報酬の残り半分、その受け取りがあるのだ、でも金ではない。


 そこの家の裏庭へ案内されていくと、小さめの馬車が置いてある。   

少し古いが壊れてはなく不要になったそうでこれが約束の、残りの報酬なのだ。


 「車軸受けが少し痛んでいるから交換した方がいいが、あと1年はもつだろうな」

「その程度ならできますから、すぐやっておきますよ」


屋根もあるといいけど、そっちは後回しでいいか、 もう少し金が入ったら。


 すぐに馬を繋いで家まで引っ張っていく、これもお土産のうちだ。

父さんが何か言うかと思ったが、黙っている、 なんか朝から元気が無いがまだ酒が抜けていないのだろうか? ずいぶん飲んでいたからそのせいか。


 「あら、これどうしたの?」

母さんが開口一番に言う。


「これもお土産(みやげ)です、報酬でもらいました、 小さめだしポーション等の納入に便利ですよ」    


 他にお土産が、母さんには服がある。


「あら、ずいぶん華やかね、なんだか照れるわねえ エプロンも?」

「父さんと一緒に選びました」

 責任を半分預けよう。


「いいだろ、たまには明るい色で?」


 冒険者4人組にも、女性にはブレスレットと、ネックレス、男衆には火打石と剣用の砥石がセットの物だ。


「俺達にもあるのかい、ありがとよ」

「綺麗ねこれ、弓に付けとこっと」

「杖の飾りにいいな、お洒落です」 おおむね好評の様で良かった。


  リーシャの所へもすぐに行って、2人に渡すのは鉢植えの花とその種、それと小さめで金属枠で少し装飾的な鏡、どちらも明るめの色でいいと思ったが・・。


 「あ~、綺麗!紫とピンクか いいね 種も有るんだ、すぐ植えようっと」

「いい鏡ね、高くなかった? 悪いわね」

「いえいえ、ささやかですから」


報酬で少し入ったし、余裕があるのだ。 


 「隣街か~、変わった物いろいろあるんだよね どうだった?」

リーシャは行ったことなかったのかな?


「全体に華やかと言うのかな、装飾品や服やら、カラフルで、種類が多くて・・・こっちとは違う感じだね、細かい物もあったね」


 「私も行きたかったな~、 う~・・、いきなり行っちゃうんだもんな」


上目遣いで言われるが、ええと、その~    


「あ、途中危なかったし、盗賊が出てね父さんが捕まえたけど、大変だったんだよ」


「・・・・・・」

「遊びに行ったわけじゃなくて、依頼を受けてね、それでね」


「・・・・・・・・・」

 

 あ、まだ不満そう?  なんて言ったらいいのかな?


「ほらリーシャ、ちゃんとお礼を言いなさい」

頭をなでながら言う。


先生がとりなしてくれるのが、ありがたい。


 「ありがとう、 今度はいっしょに行きたいな」

すねてる?


「そうだね、機会があれば、安全な・・」


 何とか収まったので次へ行こう 次だ。   

次は・・・・・



 「いらっしゃーい ♪」

探すまでもなく出てくる、街の露天商、ムーアさんだ。


 「え? 私におみやげ?  何?」

「帽子と、スカーフ です、露店だと日に焼けるかな・・と」


つば広で、外は白く中は黒の日焼け防止用ので、スカーフは薄紫でレース入りの店員さんお薦め品だ 自分はセンス無いので。


 「え~ ありがと、いいの?」

「お世話になってるし、ポーションなど売ってもらうし 今後もよろしく」


「私にはもったいないほどだね~ オシャレで」       

「いえいえ 似合うと思いますよ、美人なんだから」

「うわ~、 そこまで言われる?参ったな    ん?」


 なにか、顔を近づけて見つめてくる 口説いてると思われたか?


「きみ、魂が安定してる、 前はぼやけてたのに・・」


 ぎょっ とする。

あのお婆さんと似たようなことを言われた。


「な、なんで?」

もしや転生と、ばれてる?


「ん~~~~~~~~ ?」


やばい? やばいのか?   なぜか冷や汗が出てくる。


「ま、いいか、 安定したんなら」      ふ~~~。   

余計なことを言わない方がよさそうだ、納得してくれたし。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 帰り道、ふと考えるが前世の記憶を取り戻したのに、自分が子供の芝居をしている気がしないのはどうしてだろう?

まるでここで生まれて育ったかのように、言葉が自然に出てくる。


 周りの人達もずっと知っている気がするし、違和感が無い。

記憶の事だけではないように思う・・・ 。


 あの人が言っていたのは・・小さな魂だったか? もう一つあると。

その魂とは、この体の元の心か?     

他に考えようが無いか・・・ なぜか出てこないが。    



 魂に呼び変えようかと思ったが、どうしたらいいのかわからない。

ムーアさんならわかるのか? それともあのお婆さんか。

そんなことを考えていたら、家に着いた。


 父さんが家の前に立っていた、なんでこんな所に?


「ネビィ、 今朝向こうの宿の外でしていた剣技だが・・・」


剣技?  ああ、朝の訓練の・・・ え?  見ていた?!


 「あれをどこで覚えた? 父さんの知らない型だ、なんて流儀だ?」




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