クリスタル・ロード 0050 依頼達成、終了!
帰路は盗賊が出ることもなく、無事に街に着いた。
家に向かう前に依頼の残りを済ませに彼の自宅へ向かい、託された手紙を渡し伝言をしておこう。
「・・・と,いうことで今度は殴るそうです」
おじさんは俯いて渋い顔をしている。
「まあいいか、なんとか許してくれたのなら、これは次の仕事で値引きしなきゃダメかもな~、 ハア」 溜息をつく。
でもこれで依頼完全終了だ。
そして報酬の残り半分、その受け取りがあるのだ、でも金ではない。
そこの家の裏庭へ案内されていくと、小さめの馬車が置いてある。
少し古いが壊れてはなく不要になったそうでこれが約束の、残りの報酬なのだ。
「車軸受けが少し痛んでいるから交換した方がいいが、あと1年はもつだろうな」
「その程度ならできますから、すぐやっておきますよ」
屋根もあるといいけど、そっちは後回しでいいか、 もう少し金が入ったら。
すぐに馬を繋いで家まで引っ張っていく、これもお土産のうちだ。
父さんが何か言うかと思ったが、黙っている、 なんか朝から元気が無いがまだ酒が抜けていないのだろうか? ずいぶん飲んでいたからそのせいか。
「あら、これどうしたの?」
母さんが開口一番に言う。
「これもお土産です、報酬でもらいました、 小さめだしポーション等の納入に便利ですよ」
他にお土産が、母さんには服がある。
「あら、ずいぶん華やかね、なんだか照れるわねえ エプロンも?」
「父さんと一緒に選びました」
責任を半分預けよう。
「いいだろ、たまには明るい色で?」
冒険者4人組にも、女性にはブレスレットと、ネックレス、男衆には火打石と剣用の砥石がセットの物だ。
「俺達にもあるのかい、ありがとよ」
「綺麗ねこれ、弓に付けとこっと」
「杖の飾りにいいな、お洒落です」 おおむね好評の様で良かった。
リーシャの所へもすぐに行って、2人に渡すのは鉢植えの花とその種、それと小さめで金属枠で少し装飾的な鏡、どちらも明るめの色でいいと思ったが・・。
「あ~、綺麗!紫とピンクか いいね 種も有るんだ、すぐ植えようっと」
「いい鏡ね、高くなかった? 悪いわね」
「いえいえ、ささやかですから」
報酬で少し入ったし、余裕があるのだ。
「隣街か~、変わった物いろいろあるんだよね どうだった?」
リーシャは行ったことなかったのかな?
「全体に華やかと言うのかな、装飾品や服やら、カラフルで、種類が多くて・・・こっちとは違う感じだね、細かい物もあったね」
「私も行きたかったな~、 う~・・、いきなり行っちゃうんだもんな」
上目遣いで言われるが、ええと、その~
「あ、途中危なかったし、盗賊が出てね父さんが捕まえたけど、大変だったんだよ」
「・・・・・・」
「遊びに行ったわけじゃなくて、依頼を受けてね、それでね」
「・・・・・・・・・」
あ、まだ不満そう? なんて言ったらいいのかな?
「ほらリーシャ、ちゃんとお礼を言いなさい」
頭をなでながら言う。
先生がとりなしてくれるのが、ありがたい。
「ありがとう、 今度はいっしょに行きたいな」
すねてる?
「そうだね、機会があれば、安全な・・」
何とか収まったので次へ行こう 次だ。
次は・・・・・
「いらっしゃーい ♪」
探すまでもなく出てくる、街の露天商、ムーアさんだ。
「え? 私におみやげ? 何?」
「帽子と、スカーフ です、露店だと日に焼けるかな・・と」
つば広で、外は白く中は黒の日焼け防止用ので、スカーフは薄紫でレース入りの店員さんお薦め品だ 自分はセンス無いので。
「え~ ありがと、いいの?」
「お世話になってるし、ポーションなど売ってもらうし 今後もよろしく」
「私にはもったいないほどだね~ オシャレで」
「いえいえ 似合うと思いますよ、美人なんだから」
「うわ~、 そこまで言われる?参ったな ん?」
なにか、顔を近づけて見つめてくる 口説いてると思われたか?
「きみ、魂が安定してる、 前はぼやけてたのに・・」
ぎょっ とする。
あのお婆さんと似たようなことを言われた。
「な、なんで?」
もしや転生と、ばれてる?
「ん~~~~~~~~ ?」
やばい? やばいのか? なぜか冷や汗が出てくる。
「ま、いいか、 安定したんなら」 ふ~~~。
余計なことを言わない方がよさそうだ、納得してくれたし。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
帰り道、ふと考えるが前世の記憶を取り戻したのに、自分が子供の芝居をしている気がしないのはどうしてだろう?
まるでここで生まれて育ったかのように、言葉が自然に出てくる。
周りの人達もずっと知っている気がするし、違和感が無い。
記憶の事だけではないように思う・・・ 。
あの人が言っていたのは・・小さな魂だったか? もう一つあると。
その魂とは、この体の元の心か?
他に考えようが無いか・・・ なぜか出てこないが。
魂に呼び変えようかと思ったが、どうしたらいいのかわからない。
ムーアさんならわかるのか? それともあのお婆さんか。
そんなことを考えていたら、家に着いた。
父さんが家の前に立っていた、なんでこんな所に?
「ネビィ、 今朝向こうの宿の外でしていた剣技だが・・・」
剣技? ああ、朝の訓練の・・・ え? 見ていた?!
「あれをどこで覚えた? 父さんの知らない型だ、なんて流儀だ?」
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