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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
1 迷いの章

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クリスタル・ロード 0047  おかしな依頼

少し長くなってしまいました。

 盗賊?は、数えると21名、 覆面をして馬に乗りむかってくる。

馬に甲冑(かっちゅう)をしているのもあり、それぞれ篭手(こて)や軽装の鎧をしていてなかなか悪そうな姿だ。


 一人兜をして、特に逞しいのがいるがあれがボスだろうか?

横一列になり正面から来るのが、自信満々のようだ。


こちらの護衛達は緊張しているか? すでに馬上で剣を抜いて構えている。


 そして50mほどの距離で皆が止まった。


 「ごきげんよう、紳士淑女の皆さん!」

兜の男が口を開いた、太い声で尊大かつ、からかうような口調だ。


「戦って死ぬか、金目の物を残らず差し出すか、今すぐ決めろ!」   

最後の言葉はドスが聞いている。   


 その場がシーンとし、護衛達は剣を構えながらも父さんの方を横目で見る。

どうするか、任せるつもりらしい。


 「そうだな~」

今度は父さんが話し出すが、少し気の抜けた様子だ。


「戦って生き残る方を選ぶか? 良いか、みんな!」

「「「おう!」」」


護衛の全員が答え、皆、気合を入れた。


「では腕を振るえ! 前進!! 」

父さんが馬で飛び出して、武器を構え左から回り込んでいく。


 敵は少し列が乱れ、すぐに反応できていない どうやら予定外のようだ。


 「諸君の腕前を期待する! 本気を見せろ!」    


そんなことを叫んで父さんは盗賊に向かっていく、挑発的だ。

そしてすれ違いざま、武器を振るい次々に斬っていき、敵は武器を落とし、落馬し、他の者は動揺している。


 「お、おい、あいつ、ありゃあ・・」

「やばいぞ! あれは 『歩く凶器』だ!」

他の盗賊が続ける。


「まさか、何でこんな所に! あいつは街の警備だろ」

「知るか、現にいるんだからよ!」


敵の列はますます乱れるが、父さんは端まで行くとUターンしてまた斬りかかる。


「その程度では、何も奪えんぞ! それで本気か!?」


父さんはまた挑発した。

そして次々に倒していく。    


 ようやく我に返ったか、彼らの一部が馬車に狙いを変えて向かって来る。


護衛達が応戦を始め、自分も戦うことに・・気が進まないけど、仕方がない、向かって来た敵に、投網(とあみ)や、鎖で応戦。

落馬させて、戦意を奪うとする。   できるだけ穏便に、ね。


 人を斬るのはできるだけ避けたいから。

剣は一応用意してあるけど、使わせないでほしい。


 でも戦いはすぐに終わることに。


兜の男の首に父さんの(やいば)が当てられ、敵の剣は折られている。


「ここで死ぬか、投降するのか 呼吸5回分待とう!」


他の盗賊は数人残っているが、それを見て硬直していた。     


盗賊は少し呼吸を止めていたが、無駄だろう。



 盗賊達は皆生きていた。


「斬ったんじゃなかったんですか?」

「みね打ちだぞ、いろいろ白状させねばならんしな、最近おかしなことが続いとる、関連があるやもしれんから」


 縛られている盗賊達を連れて、隣町へ向かって馬を進めるが少し遅くなりそうだ。

盗賊達が怪我(ケガ)で、歩くのが遅い!



 夕方近くになってようやく街に着いた。


父さん達は盗賊達をその街の衛士に引き渡しにいき、自分は用を済ませに行かねば。

依頼を済ませに指示された店に向かう事にして、父さんとは後で落ち合うことにしておく。


 商店街を通り、その店の前に着く  看板は有るが何を扱う店かわからず地味な感じだがそれは良しとして、入っていく・・・店長さんは?

「すみません、どなたかいませんか?」


恐る恐る言うと奥から足音がする。

50代だろうか? 気難しそうなおじさんが出てきて睨むような顔を向けられた。


 「何だい? 」

子供が何しに来たと言いたそうな様子だ。


さて、これからだ 依頼の内容は・・。


 「すみません! 本当に申し訳ありませんでした !!」

深々と頭を下げ、両手を脇に、背筋を伸ばしつつ腰から90度に倒す。


依頼とは、指定の相手にひたすら謝る事だったのだ。

  ・・・・・・・・・・・・・・    



 「この(たび)は納入に不備がございまして大変なご迷惑を、誠に申し訳ありませんです、二度とこのような事起こしませんように・・・・    」


 店主は少し驚いたが、意味が分かったのか黙って聞いていた。

そして少しの間、無表情だったが次第に眉間(みけん)にしわが寄ってだんだん怒りが強まっているみたいだ。


 ここは最終手段、土下座か? やるか? タイミングを計る、表情を見て怒りの最大ポイントで!


「あの野郎! ふざけやがって~っ !!」

店主は大声を出す!


ここだ! 奥義(おうぎ)、土下座!

 飛びあがって這いつくばろうと、膝を軽く曲げジャンプに入る瞬間!   


 「わかった!、もういい!!」

え?  もういい?!  そのままの体勢で固まってしまった。


「まったくあいつは~ 、子供を使いによこして謝らせるとは何て野郎だ! ふざけやがって! 隣町からだろ、子供じゃ危ないぐらい考えんのか、あの野郎!」


「あ、あのですね、あの人が言うには恥ずかしくて顔を出せないと、それで・・」

「あ~ 、良い良い、坊主が 謝るこたあねえ」


手を挙げて止めてくる。


「依頼の分はもう謝罪してる、坊主は悪くねえ、悪いのはあいつだ、あの野郎!」


 土下座は不発に終わってしまった、タイミングを誤ったか?

仕方ない、次に移らねば・・・ 

   

「あの、それでですね、こちらはお詫びの品だそうで、どうかお納めを願います」

頼まれた品を出し、丁重に差し出す  中身は不明だが、手土産(てみやげ)程度の箱だ。


「ん? あいつ何を寄越(よこ)したんだか・・」


少し奥へ行って、小さな机の上でそれを開けるが、ここからでは中が見えない。

封印してあったので開けるわけにはいかなかったし。


 店主はそれから「少し待っていてくれ」と言って、机で手紙を書いているようだった。

土下座に比べれば、少し待つ程度はなんてこと無いですとも。


 5分ほどしてロウで封をした封筒を渡された。    

「これをあいつに渡してくれ、それと今度子供にやらせたら絶対に殴りに行くと言ってやれ、いいな?」


「はい、確かに(うけたまわ)りました」

怒りは収まってないけど、なんとか依頼達成だ。


 妙な依頼ではあったが、受けた以上は仕事なのだからしょうがない。

無事済んでよかった。



 店を出てホッとし、父さんと待ち合わせの衛士詰め所に行く。

その前に立って待っている、向こうの用事は済んだようだ。

そばへ行くといきなり革袋を渡された、 これ何? カネが入っているようだ。


 「盗賊退治の報奨金だ、お前にやる! 父さんは非番だしな」   

「こんなに、いいんですか?」

「母さんへの土産(みやげ)を買って行こう、お前が選んでおけ」


お土産か~ 何を買えばいいだろう? 悩むぞ、リーシャやあの4人にもかな?


「それと、美味い物食っていこう! こっちには少し変わった物があるぞ~」

「酒もかな~、 はいはい」



今日は泊まりかな、それにしてもこの街に入ってから少し胸騒ぎがするような?


盗賊は捕まったのに、なぜ?




最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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