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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
1 迷いの章

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クリスタル・ロード 0040  上級の戦い (2)

 町外(まちはず)れとはいえ近くに家もあり、さほど広くもない場所でこれから荒っぽい事が起きるんだが、被害が及ばないだろうか心配になる。


たぶん先生とフレアが防御魔法で何とかするのだろうが、音まで防げるかな?


 二人の対戦者は、杖を振り上げ呪文を唱え念を込めると木偶のそれぞれは力を(そそ)がれ、さらに強くなった。


土のゴーレムは腕を振り回し、大きな石を投げ始めたが、あんなのは用意してあっただろうか? 見覚えが無いんだが・・・。

石と言うより尖った岩だ  あれは魔法で造った物だろうか?


 木のゴーレムは身軽さで石を(かわ)しながら樽を投げると、当たった瞬間爆発し炎と蒸気が噴き出し土のゴーレムの体を崩す。


土の方が強そうだが今のところ押されているか?


 「なかなかやるではないか」

男性魔法使いが胸を張り、自信ありげに言う  まだまだ余裕を感じられる。


「ほほ、相手が女だからと遠慮してるとすぐ終わりますよ、よろしいのかしら?」

微笑みながら挑発している。


こちらも序の口か?


「仕方ないな、ちと痛い目に合ってもらうかな!」

杖を指揮者のように振るって呪文を唱えた

   

「アトラス・エッジ!」


 すると地面が盛り上がり、ひねり出すように棒状になり伸びていく。

長さ5mほどになった所で止まるが、いつの間にか端の形が変わり一方はハンマーにもう一方は(つの)のようになっている。


足が遅い分をリーチでカバーする様だが、あれは用意された物じゃないがいいんだろうか?  他の物を使うのはダメとは言ってないが・・。


先生は黙って見ているのでOKか、 試合続行のようだ。

その時「お茶、飲む?」

と、隣で声が聞こえた  ああ、リーシャか。

   

 ありがたくいただいて飲むが、この子は目の前の事に動じていない。

だいぶ荒っぽい事になりそうだが、平気で自分の分のお茶を飲んでいる。

目は興味深げだが、やはりあの母で慣れているという事か。


 ドドンと、音がして試合に目を戻すと、ハンマーを地面に叩きつけて穴を開けたところで相手は辛くも(かわ)していた。

先ほどまでは逃げ回っていたが、あの棒で状況が変わったようだ。


 木のゴーレムが離れようとすると、石を前方へ撃たれ、足が止まればあの棒で打たれ、突かれ、なんとか()けるが少しずつ削られていく。

立場が逆転しているようだ。   


 それにしても先ほどからズシン、ドスッ、ドン とばかりに騒々しい。

ご近所迷惑にならないだろうかと思ったら、案の(じょう)で人が集まってきている。


そのうち衛士まで来るのでないだろうか?


「ふふん! そろそろ限界かな?  降参でもよろしいぞ」

男の方が自信たっぷりで笑いながら言う。

「ふっ、 これで勝ったつもりかしら?  しょうがない人ね・・」


こちらも自信満々だ。

そして更に呪文を唱える 次は何が出て来るのだろう?


 呪文の間にも相手の攻撃が来るので、それをかわしながらの詠唱である。   

二重の魔法とは、さすがは上級者!


だがゴーレムの木の腕が吹き飛んだ やはり両方はきついようだ。

遂に攻撃がまともに当たった。


「まだまだよ! 」

 詠唱が終わり杖を伸ばす 

「ウッディ・プリズン!」


すると相手の足元にツタが現れ、どんどん伸びて囲むようになるとゴーレムの体を伝いながら今度は上へと成長する。


 これは自分もアイテムで使ったことがある、捕獲する技だが、あれより太く、早く、そして大きくなる、 さすがは上級魔法だ。    

 

 土のゴーレムは逃げようとするが動作が遅いのでどんどん絡まれていき、棒で払い、つぶしても、さらに伸びて絡まっていく。

武器が刃物でないのが、失策だったか?


「うーん、 あれ燃やすのはダメかな? それとも剣を出して切るとか」

リーシャがそんなことを言い出した、 戦闘に興味があったのかな?


「たぶん燃えにくいツタじゃないかな、想定してあるはずだし、これから剣を造るのは間に合うかどうか・・」


すると土ゴーレムが、石を数十個一斉に発射して木の方の足を砕いた。

「しまっ !」 女性が言う。

勝ったと油断して足を止めていたようだ、 両足をやられてほぼ動けない。   


「「あ~」」 二人して声を上げてしまう。

どっちの味方というわけではないが、つい熱が入る。


 集まって来たご近所さん達もそのようで、声に出ている。

ここはファイヤーボールだとか槍で串刺しとか、水攻めだとかいろいろ言っている。


近所迷惑と言う人はいないようで、みなノリノリなのか?

ただ 頑張れー と叫ぶ人もいる。


「おおー、やってるやってる」

「うわー、魔法戦かあ、 ゴーレムどうし? 難しいんだよね」


近くで声がしたので誰だと思ったら、レフとジョーイだ。

畑で働いているはずの4人組のうちの二人。    


 「お二人とも仕事中では?」  サボり?

「なんか(にぎ)やかだから、少し抜けさせてもらった」

「だって気になるんだもん」


もん、 じゃないでしょが。


「この後、フレアの試合もあるんだろ?」

「そりゃ、ありますよ」

「見たい 見たい!」

この人たちは・・・・  仕事をしましょう、仕事を。


 観客たちから更に声が上がり、盛り上がっている。

   

石による弾幕をツタの壁で斜めにはじきながら、取り囲んだツタで締めつけ抑え込んでいき、土のゴーレムは動けなくなっていくが、木の方は石にやられてだいぶ崩れている。


これは力押し同士か、どちらが先に参るのか?


観客にも力が入っている、 そして自分たちも。




最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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