クリスタル・ロード 0039 上級の戦い (1)
少し短いです すみません。
これから戦うCランク二人は、用意されたものを何やら品定めしているようで、一通り確認したうえで、割り当てを話し合っている。
二人とも歳は40代だろうか、子供の時から戦いの為の魔法を修練しているという。
落ち着いた雰囲気の二人だが、穏やかな闘気をすでに身に纏っているのを感じている、 自分も幼いうちから剣術の訓練をさせられていたからだろう。
でも、ここへ、この世界へ来る前? 記憶が定かではないがずっと前から戦っていたようなそんな感じがしているのだ。
先日の狼との一戦で、本気での戦い、命のやり取り? あれで何か思い出したような気がずっとしている。
武器を振り回し、手ごたえ、衝撃、喧噪、音、しぶき、光?、藪、木、獣、声?、雨?、風、金属、地響き、山、川、崖、滝、雷、日差し、雲、湖、砂、土、海、船、火、煙、 そして、 そして、 そして?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ そ・し・て・ ?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
「ネビィ!」
急に近くで声がした。
周りが明るくなって、そばに人がいる リーシャか。
顔を覗き込むように見ている。
「ああ、 リーシャ どうか、した?」
声が途切れ途切れになる。
「なんだかぼうっとして、顔色悪いよ 大丈夫?」
汗で背中がじっとりとしている 少し息が苦しい 寝ていたのだろうか?
うなされていたような感じがするが、時間がだいぶ経ったのか?
そう思ったが、あの二人はまだ準備中の様で戦っていない。
数分だったのだろうか。
リーシャが飲み物をくれて、少し落ち着き息が楽になった。
まだ汗ばんでいるが、徐々に収まるだろう。
「気分悪いなら帰ろうか?」
リーシャはそう言うが、この後の戦い・・4人分 を見逃すのは惜しい。
「それほどじゃないから、大丈夫!」
背筋を伸ばして、元気・・な振りをする
わざとらしくならないように、気を付けながら戦いを見守る。
「それでは準備できましたか? そろそろ始めたいと思います」
先生から号令がかかり、二人が位置に就き、フレアともう一人は脇に控えている。
フレアはこの戦いよりこの後の自分の出番を意識しているのか、気がそれているようなそぶりだし、もう一人の方へ視線が行くような? あの人と戦う気なのだろうか?
「それでは、はじめ!」
ベテランの対戦である と言っても直接やり合うわけではなく、代理を立てている。
木偶と言っていたが、ゴーレムとか使い魔などの使役によって戦わせる方法で、主への攻撃は無しということだ。
男性の方にはレンガや土、ツボなどを固めて造ったらしき人形? と言っても3本足のような2本足+しっぽのあるごついタイプで、女性の方には丸太やタル、金具などを組み合わせたずんぐりした物がある。
どちらもスマートな人型とは似つかない、ゴーレムモドキの様である。
それにしてもいつのまにこんな物を造ったのだろう? 魔法だから早いのだろうか?
自分が目を離していたからわからなかった。
丸太など木を主にしたタイプがまず動いてスピードをあげる。
足の部分にはタルがあって、回転することで進むようだが軸が見えないのでどんな仕組みで進んでいるのか? 魔法で支えているのだろうか。
軽い分スピードがあるが、攻撃はどうするのか、そう思って見ていたら
腕から火球が出てきて相手のレンガ等のタイプに当たる。
こちらは土ゴーレムとでもいうのか、ずいぶん重そうだ。
向こうは丈夫そうだが重いせいで動きが鈍い。
火球が当たった所は少し焼けているが、燃えるわけではなく、もろくなっているようだ。
その部分がポロポロと崩れている。
土ゴーレムからは石が飛ぶ! 足は遅いが攻撃力は有りそうで、外れはしたが地面にドスッと穴を開け、土埃を上げた。
木のゴーレムは足の速さで攻撃をかわす気だ。
双方、数発撃ったところでお互いの主(人間)が、ニヤリとしている。
「「ではそろそろ、本気で行きますか?」」
二人が言う。
準備運動が終わったようだ。
ゴーレムのスピードと威力が、一段上がった。
辺りに着弾音と地響きが広がって行き、少々騒々しいが、いいんだろうか?
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