表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
1 迷いの章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/200

クリスタル・ロード 0033  災いへの遭遇

 引き続き、(わざわ)い感知器のチェックを行う。


ギルドを出て、通りをあてどもなく歩いていく。

これ、もしかして歩く必要無いかと思うが、首飾りを見ながら座っているだけというのも暇だし、体を鍛えるためにも歩いていようと思う。


 通りではいつものように店先を掃除する人や買い物で行き来する人、外で遊ぶ子供、荷物を運んでる人などがいて、小さめの馬車がカラカラと音を立ててゆっくりと走っていく。

 この街は防犯、防災の意味もあって路地裏も比較的片づけられ、掃除が行き届いていて、領主が良いのだろうと感じさせる。    


表通りだけでなく、路地も歩いてみるかと少し狭いが歩いていく。

脇から黒猫が出て、足を止めこちらをじっと見るのが、「誰だ、オマエ」と言ってるようで、あの猫のナワバリなのだろうか?


「ごめんよ、通してくれ」と言って通り過ぎると、目で追ってくる。

塀の上にももう一匹、赤茶の猫が座ってこちらを見下ろす。


「お邪魔するよ」

声をかけると、(うなず)きつつ ニャアと鳴く。

こちらは愛想が良い。


 もうすぐ裏通りに出るというところで、手がほんのりと(あたた)まっている。    

首飾りを握っていたのを思い出して開くと、少し光っていた。

反応か! と方向を確かめる。


斜め後ろか、 表通りだろうかと急いで戻ると、表に出ないうちに方向が変わっている。

首飾りの光が、逆の斜め後ろだ。

光を見ながらまた戻ると猫のいるあたりで、この家かと近づくと猫が驚いて逃げた。

ここか? でも距離がわからないから、この家のずっとむこうかもしれない。


 少し考える。

この家に入って聞こうかと思ったが、何て言えばいいのか?   

・・・・・・・・・・・・ うーむ ???


 そうか、方向はわかるのだから、なるべく大きく回れば場所が絞れるのでは?

そう考え一度裏通りに出て大きく迂回しようと走り出し、出てすぐ曲がって更に走る。

でもまた方向が変わった つまり近くだ。


もう少し行くとまた路地が有るので入ると、あの家の反対側に出た。

光はこの家を指している。


 この家に何かあるのか?   

でも、知らないお宅にいきなり押しかけるのも・・・。

躊躇(ちゅうちょ)して立ち尽くしていたら、首飾りの光が強くなった。


いよいよ悪い事態がと、決意して声を掛けようとすると窓から煙が出て来た。

 確かに煙・・だよな、 見つめていると煙が濃くなり、ほぼ黒だ。

火事?! 火事か?!

 

「か、火事だー‼、 火事だぞー!」

気付くと大声を出していた  躊躇(ちゅうちょ)してられない!

「火事だー!!」


更に叫んでいると、隣の家から人が出て来た。

「ほんとだ、おい! 火事だぞー!」

その人も叫ぶ。   

表通りも裏通りからも、なんだなんだと人がのぞき込んで火事だ火事だ! と騒ぎが大きくなっていく。  


 隣から来た人がその家へ飛び込んでいく。

誰かいないかーと叫ぶ声が聞こえるが、大丈夫だろうか?

更に人が入って騒がしくなっているが、その他の人は周りで恐々(こわごわ)見つめている。

自分も行くべきか? と入り口に向かうと後ろから止められた。


「おい、子供はやめとけ、危ないから」

「でも・・」

 そう言ったところで、窓から人が顔を出した。

    

「消したぞー、 ふう、やばかった」

入り口からもう一人が出て来た お年寄りを(ささ)えながら。

ケホケホと二人とも咳をしているが、無事である。


 おおー と周りから安堵(あんど)の声が上がる。

ご近所の人だろうか、大丈夫かいと数人がお年寄りの元に集まっていく。


 その頃には騒ぎを聞きつけた衛士がやって来た。

事故として調査が始まるだろう が、自分も調べられるかな?


第一発見者?  なんとなく嫌な響きだな。   


首飾りの事は、伏せておこう。




最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

「面白い」、あるいは「まあまあだな」と感じた方は下の欄の

☆☆☆☆☆への入力、ブックマークに登録などをしていただけると

作者への強化や回復魔法となりますので、ご助力をお願い致します。

             m(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ