クリスタル・ロード 0027 Dランク テスト
Dランクは4人、あの娘の他は10代末と20代~30代かな?
あの小さいのがDか? と注目を浴びている。
確かに自分よりだいぶ小さいのに、D? 自分は初心者・・・。
うーむ、悔しい、 みんなそう思うのか、ざわついている。
そこへ馬車の音が響いてきた。
何やら大声も聞こえる。
ますます回りがざわついて、皆そちらを見る。
勢いよく走って来た馬車が急停車し、御者台から大きな男が飛び降りて駆けて来る。
「アイリス、アイリスはいるか? どこだ?! アイリス!」
何だ? 誰だよ と、ざわつく中、ギルド長だろと聞こえた。
ギルド長? そういえば見た事あるような? アイリスとは?
「ギルド長、落ち着いて! アイリスちゃんならここにいますよ」
リーシャの母さんがそう言って手を挙げる。
人の間を抜けて来るとギルド長?は、あの小さい娘の元へ駆け寄った。
「おお、いたか、良かった、いつの間にか消えたから心配したぞ」
そう言って抱きしめて頭をなでる。
「大丈夫、遅れそうだから一人で来た」
たどたどしくもそう言った 一人でここまで歩いてきたのか。
「すまんな、わしが連れて来る予定だったんだが仕事で遅れてしまってな、どこへ行ったのかと焦ったぞ」
そう二人に説明する。
あー、どうりであんな小さい娘に付き添いなしとは、変だと思った。
ギルド長の後、馬車から降りたもう一人がやって来た。
「あー いました? 良かった! 外に行くのが見えたからここじゃないかと・・・無事でよかった!」
あの人は・・確かギルドの受付さんの、小さいほうだな。
「おお、きみもすまんな、わしのせいで仕事を抜けさせて・・ 後はわしが付いとるからきみは戻ってくれ」
ハイハイと、受付さんは手を振って離れて行った。
迷子探しだったか、大変だな。
周りからは、ギルド長の子? 孫? と声が聞こえて来る。
そこへギルド長が手を挙げて言う。
「あ~、みんな、騒がせてすまん! この子はわしの姪だ! 名はアイリス!
幼いが以後よろしくな! 仲良くしてやってくれ、以上だ!!」
でかい体で、でかい声だ! 怒鳴っているかのようにここまで響く。
でも当のアイリスは慣れているのか、平気な顔だ。
「ではギルド長、再開してよろしいですか?」
フレアが苦笑気味に尋ねる。
「ん、中断させてしまったな、邪魔をした、始めてくれ!」
「ではDランクのテストを再開します」
「テスト? 入塾にテストがあったのかね?」
今度は小さな声で言う。
「いえ、入塾試験ではなく、適性のチェック程度です」
「ああそうか、わしは離れてるから・・やってくれ」
ようやく会場が落ち着いて、続きとなった。
あの娘は落ち着いた顔をしている 小さい割に肝が座っているのか。
Dクラスの4人の中で、しっかりと立っている。
そこへフレアが、丸太やら、石やらを台車に乗せて運んできた。
重そうなので、手伝いにいこう。
「これは何するんですか?」小さな声でフレアに聞いた。
「わたしも良くは知らないんだけど、魔法のセンスがどうとか・・・」
「センス?」
パワー ではなく、センス?
魔法の適正とは、パワーなのでは、と思ったが、敵を倒すにはまずパワー、
それが常識のはずでは?
台車から下ろした物を、フレアの指示で地面に少し離して置いていく。
「これでよろしいですね、先生?」
「ありがとう、じゃあみなさんいいですか?」 4名に言う。
「ではここにある物を使って自分の魔法を表現してください」
一呼吸おいて先生はそう言った。




