クリスタル・ロード 0206 新ルートへ
しばらく間が開いてすみません。
今年もよろしくお願いします。
領主の館が遺跡への入り口なのは以前からだが以前より部屋が飾られ、壺や彫刻、植木鉢などで飾られ美術館の展示室のようだった。
あれは偽装なのだろうか、殺風景な以前とはだいぶ違うが良い雰囲気になっている。
少し地味ではあるが遺跡で見つかったの花も入っているが公開して良いのかなと思うが貿易も考えているからかな? あれはお客に対する見本でもあるのか、さりげなく飾りながら宣伝を考えているという事だろうか?
そんな事を考えて通路を進むと今度は壁一面に花が咲いている。
ツルが壁を伝い伸び覆っているのだが根はどこで水を吸うのか、壁の下で見えなくなっているがこれは生けてあるのか、どうなっているのだ。
「綺麗だね~」
「うん」
リーシャ達は気に入ったようで、フレア達も素直に感心して見ているが自分はこれここまでする必要あるかと見てしまう。
「この花びら光ってませんかしら」
「そうだね、新種なのかな? 見た事無いよね、この花って」
花が光っている。
遺跡で見つかった新種だから?
次の部屋では照明が抑えられ薄暗くなっているので花の輝きが引き立つ。
赤や紫、ピンクや黄色など、とりどりで華やかである。
壁や天井が光る花で彩られ小さな蕾までが光り、そこは星のようで花の間を飾り星空に花が咲いているかのようだ。
「綺麗ねえ!」
「ふわあ」
「これは見事ですわ、貴族の館でもこれは普通見られませんよ」
「ほんとに凄い、いつの間にこんなに飾られたのかな、ねえ」
「へえ~~」
薬草や美術品だけでなく花も貿易に使えるか、まだまだ出てきそうだしこれは先行きが明るそうだ。
さすがにあの領主は色々考えている、これはすぐ貴族の間で噂になりそうだしここを少し見せるだけで宣伝になるだろう。
「後で領主さんとこの事を話そう」
「そうだね~、私この花少し欲しい、貰えるかな?」
「うん、自分もこれ欲しい、部屋に飾りたい」
リーシャとアイリスが歩きながらふり向いて言うが、自分はそんな意味ではないのだけど・まあいいか、確かに綺麗だし母さんも喜びそうだ。
貰えるなら少し貰って帰ろう。
そんな事を考えながら通路を進むと大きな水槽に煌めく魚や半透明の何かが泳いでいたり、かごの中で小さな天使のような鳥?が飛んでいたりと次々に珍しい光景が現れ、そしてその先に偽装されて壁に隠れていた転移ゲートの部屋が。
「この先も変わったからな、ちょっと驚くぞ」
「そうだな、俺達は少し見ているがネビィ達はまだだろう? ちょっと見ものだぞ」
レフ達がニヤリとしてそんな事を言い出した。
ゲートの先が変更されているのだろうか、それとも飾り付けてあるというのか?
「え、何々?」
「もっといい物がある?」
「私達も少ししか見てませんけど、遺跡の別ルートが見つかってそれがなかなかの所なのよ、見てのお楽しみですわ」
「そうそう、二人とも驚かないようにね~」
フレアやジョーイもレフ達と既に見ているらしいが、何があるのだか。
危険ではなさそうだけど・・・・。
アイリスたちは期待の表情で撥ねるような足取りでついていく。
半面、ボディーガードのジャンヌさんは落ち着いた足取りだがよく見ると楽しそうだ。
この人もずっとギルドの受付をしているより冒険を楽しんでほしい。
兵士としてずいぶんつらい事があったらしいが、出来ればそれは忘れてくれたらと。
「それでは皆さん、準備はよろしいですか、新ルートへの転移陣を発動致します」
転移ゲートの受付さんが迎えてくれ、いよいよ出発だ。
この部屋も以前のような殺風景ではなく、変わった植物の鉢植えや不思議な色艶の置物や装飾で雰囲気の良い部屋になっている。
それが転移の発動と共に薄れて徐々に暗くなっていく。
そして次に明るくなったとき、目の前に光のカーテンが下がっていた。
水の膜が光っているのか。
薄い滝? 幅20mほどの薄い膜の滝が、高さ100m?200mか? ずっと上から落ちているが薄いせいか音も水飛沫も弱く、それが辺りに数十か所あり、水のカーテンが重なって光っているのだ。
「ふわあ! なんか凄いね」
「お~~~」
「へえ、これは確かに」
これは本当に異世界の景色で水を通る光が揺れて煌めき、辺りを照らすと自分が水中を漂っているかのようだ。
「まだまだだ、そろそろ次が来るぞ、みんなよく見てろよ」
レフが振り向きながら得意げに声を上げて笑っている。
なぜレフが得意げ? と思っているとカーテンの向こうから青や黄色の物がチラチラと飛んできた。
蝶? 鳥だろうか、水の膜を身軽に避けながら輝きながら数を増やし飛んでくる。




