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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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203/208

クリスタル・ロード 0203  王妃の思惑

王族の夕食会、もちろん豪勢な物だ。


見た目も良いがもちろん味も超一流、食べきれないほどの量。

一度も見た事のないような食材、調理法、表現に困るほどの味、食感、香り。

文句などでるわけのない料理、褒める言葉の限界を超えていると思うほどの。


ケーキとお茶も素晴らしかったし、その少し後の料理もこれだ。

一日にこんなおいしい物を食べて体は大丈夫かと思うほど。

天に上るような心地とはまさにこの事だ、料理に限って言えばだが。

なぜ、隣に座っているのがあのお騒がせ娘・なのか?


「ネビィ様、こちらのエビや貝はいかがですか、美味しいですよ」

「ど、どうも、いただきます」   


妙に甲斐甲斐しくよそってくれるのが気味悪い。

もちろんそんな態度は示さず受けるのだが、なおさら進めてくる気がする。

しかし断ると後がうるさそうなのでそうする気になれない・・・・・・。


父さんが反対の隣に座っているのだが面白そうに横目で見ているだけだが、何とかしろよと言いたい。



他の参加者は、お妃様、王女3名9才から14才と幼なく母親に寄り添い、いとこの娘2名、どこぞの商人の男2名とその連れの女性、他は執事とメイドだが彼らは貴族とのつながりのある人達だそうだ、そりゃ王族に仕えるのだから身元が大事か。    


「これは非公式の集まりだから気楽になさってね、お父様も気にせずたくさん召し上がってくださいな、息子や夫は呼んでませんから」   

「恐れ入ります、しかし王にご挨拶をせずによろしいのでしょうか」


父さんが話してくれるので自分は食べてりゃいいが、王子の事もいいんだろうか?


「構いませんよ、今回の件は息子達が願ったことで夫は関わってませんから、それにどっちも剣を振り回すことに夢中で夕食やパーティを面倒がって出ませんのよ」

「ははあ、なるほど」


実は自分も父さんもそれに近いのだが、それは言わないでおく。

せっかくの美味しい物がいただける機会はありがたく受けておこうと。


「それに今集まっているのはね、私と懇意にしている人達でね~、美術品や服飾に興味のある人なの」


そこまで言って王妃は流し目でちらりとこちらを見た。  

美術品? 何やら意味ありげの目だったと思ったとたん、気付いたことがあった。


「もしや貢物の事に関してでしょうか」


父さんに代わって王妃に尋ねると優しい笑顔になった。


「そうそう、娘達はあれにあった反物に夢中でね、あれの不思議な艶が凄いって今ドレスを仕立ててるんだけど、もっと欲しいってうるさいし、御用商人たちは美術品にも興味を示しているのよ、貴族たちもね」


なるほど、そのメンバーがここに集まっていると。

これはますます外交官を連れてくればよかったと思うが、いないのは仕方がないので父さんと二人でできるだけフォローしておこう。


「お父様はこちら、鴨の丸焼きはいかがですが? 中身はクルミ入りのバターライスでとても良い香りですよ」

「おお、これはどうも、美味そうだ」


父さんは食べるのに夢中のようだ、自分がフォローせねばならないか。


「贈り物を気に入っていただけて担当も安堵すると思います、しかも貿易までとは私どもの国王がさぞ喜ぶかと、戻り次第そのようにお伝えいたします」

「よろしくね、反物は特に急いでほしいわね~ 娘達が期待しているから」

「はい、その様に致します」


少し離れたテーブルで王女たちが話に反応してはしゃいでいるのが聞こえる。

さぞファッションにご執心なのだろう、どこの女子達も服には夢中なのか。

反物の量を確保できれば貿易品目にできるが在庫はどの程度か不明だからな、帰ったらその辺を確認しとかないと。


「美術品に関しても商人たちが期待しているからよろしくね、高く売れそうと手ぐすね引いてるの、わかるわよね?」


そう言って別にテーブルに目を向けると男達が会釈をしている。

あれが御用商人か、良い身なりに恰幅の良い二人で貫禄があるのが大商人のようだ。

そんなのが相手となると相当な金が動くだろう、こちらにとっても願ってもない事なのだ。 あの二人の顔を覚えておこう。


「ネビィ様は貿易の方にも関わられるのですか、お忙しいのに優秀なのですね」


お騒がせ娘が話しかけてきて、忘れていた存在に気付いた。

そう言えばこの子は外交担当か、そちらに詳しいだろうから教えられることもあるかなと思うが教わる相手としては抵抗がある・・。


「貿易の事なら父が詳しいですから私もご協力いたしますよ、我が国もそちらとの貿易を望んでいますしぜひネビィ様とのお付き合いを」


柔らかな微笑みと共に提案されるが、この娘には言葉通りと思えない雰囲気が漂う、自分の思い過ごしであれば良いのだが、その辺を今度領主とよく話し合ってみよう。

あの人なら良いアドバイスを貰えそうだ。


「うむ、さすがに良い料理だな、食材も良いがシェフの腕も最高だ。 こっちのステーキも柔らかくてとろけるようだぞ、食べてみろ」


父さんは・・こっちは仕事の事を考えているのに食べるのに夢中とは何だ! あんたも少しは外交を考えなさい。   


「お前だってさっきからずっと食ってるじゃないか、ケーキだって半分以上食べたろ、子供の体であれほどとは俺の実質倍だぞ」


ちょっと待て、心を読むな。




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