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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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192/200

クリスタル・ロード 0192  グリーン公国への初訪問

兵士たちが3頭のドラゴンに分乗すると各十数人だろうか。


ドラゴンの上に鞍のようなものが付いてはいるが、鞍というより長椅子に近く、腰をベルトで止めるようになっているが、正直これだけでは心もとない。

ドラゴンが宙がえりでもしたら落ちるのではなかろうか・・・・・。


それぞれに竜使いが付いているので問題無いとは思うが、やはり躊躇する、他の人達はどうかとちらりと見ると落ち着いた態度を取ろうとはしているが、皆顔色が悪い。

口数は少なく、肩に力が入っているようだ。


「ではよろしいですかな、飛びますぞ!」


前に座っている竜使いが手綱を握りふり向いて言うと、ゆっくりと竜の翼が持ち上がり次の瞬間風切り音と共に巨体がふわりと舞い上がった。  

皆から思わず おお と、声が上がる。

他の2頭も同様に少し遅れて上がって来るがすぐに同じ高度で羽ばたきを合わせながら前進しつつ高度を上げていくのはさすがに訓練を受けた軍用の動きである。


ドラゴンの体勢がやや斜めになっているので自分達に当たる風は意外に弱い。

魔力による制御もあるのだろうか、高空では寒いかと思ったが高度の割には寒さを感じないが、まだまだ上昇が続きそうである。


後ろで街の様子がどんどん小さくなっていく。


「お、おい、高いな」

「それに速いぞ、馬の何十倍だよ」


隣から小さな声が聞こえる、緊張した震える声だがまだ落ち着いているのはさすが鍛えられた兵士で、取り乱しはしないな。

目をつぶってベルトを掴んでいるのも一部居るが、よく頑張っている方だろう。


そして雲を突き抜けて更に上がると雲が下に見え、白い地面のすぐ上を飛んでいるかのようで少しホッとするような光景だ。

空には眩い太陽と、たなびく薄い雲だけの青空が広がっている。


凄い景色、これが龍王国王家の見る世界か、正に天上人のようだ。

神に近い場所、そんな言葉が似合いそうな景観、このドラゴンだけでだがあと何頭いるのか、全部ではどれほどなのか、しかもこれで次男の物だからもっと大きいのがいるのだろうと気が遠くなる。


そして眼下にちらちらと見える川や山を越えて隣の国土が見えてくる。  

我が国より森の多いグリーン公国、その領土に差し掛かり少し険しい山も見えてきてその向こうは竜王国だが薄い雲がかかり、そこまでは見通せないのが残念だ。


それにしてもグリーン公国は我が国より小さいのに竜王国に占領も滅ぼされもしないのが少し気になっている、古くからの付き合いだそうだが不可侵条約でもあるのか

竜王国の戦力なら勝てるはずがどうしてなのか? 

そしてドラゴンソードを我が国によこしたのは力のバランスと言うし、仲の良さとは言えないのではないか? 何か事情でもあるのだろうか。


我が国のような遺跡の力か、グリーン公国を迂闊に攻められない秘密か、ドラゴンソードより強い力、切り札が隠されているのでは?

それは何か、ゴーレムは見たがあれはそれ程の物ではない・・もっと強い力・・・。

もっと大きな力が隠されているのか、あの小さな国に。


などと考えていると兵士たちがざわつき始めた。

何かと思うと指をさすのもいる・・ その向こうは街か、小さく街が見えて来た。

あれが公国の首都だろうか。

しかし小さいと思ったのは遠いからで近づいてくると思ったよりずっと大きいと気付いた。


中央に高い城のある大きな街、それが険しい山に囲まれて川や湖が輝いて美しく色鮮やかな国、それが上空から見たグリーン公国なのだ。


そこへ3頭の大型竜が羽ばたきながら近づき高度を下げていくと、城に掲げられた旗やのぼりが風になびいてこちらを迎えているように見える。   

とても絵になる光景で目に焼き付きそうだ。


城がどんどん大きくなっていき、高い塀の内側へと竜達が降りていく。

内側には兵達が並び、城の上層にはおそらく王族であろう人等と側近達が並び、出迎えてくれているようだ。


その中には・・まだ顔は見えないがどうも嫌な予感のあの娘がいるような気がする。


あの図太い外交娘が、だ。




総合評価が初めて100Ptを超えました。

非常に感動しております。

これも支援してくださった皆様のおかげです。

ありがとうございます、これからも頑張らせていただきます。


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