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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
1 迷いの章

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クリスタル・ロード 0019  修行?

 戦闘訓練の場所は林になった。


 本当は魔物に追われたあの沢がいいだろうが、今はタイミングがまずい。

魔物襲来の疑いがかかっているので、だそうだ。


 リーシャが母親と来ることになった。

父さんが声をかけたのか、魔法塾の予行演習を兼ねて参加するそうで、当然ながら「愛弟子(まなでし)」のフレアは喜んで付いてきたし、リーシャは林で野イチゴなど採るためで、「母さん達がいるなら安心!」とのことだ。


巻き込まれない様、気をつけてほしい。

リーシャの母さんは、あれから回復したかな?

「しっかり食べてぐっすり寝たから大丈夫!」

それは何よりです。

  

ジョーイは畑仕事の為、母さんと家に残っている。

薬草畑にも人手がいるし、今回はそちらへ行ってもらうことになった。


 林のそばの野原を少し整地し、準備完了。

冒険者男衆には木剣と棒を持ってもらう。


「そっちは真剣でいいぞ、子供相手だからな、ハンデだ」とレフ。

剣ではさすがに・・で、金属棒にしておいた。


「でも、まず、衛士隊長に相手してもらえませんか? 凄腕との噂ですよね」

父さんはそれを聞いてニヤリとする。

「いいだろう、ウオーミングアップ程度ならな」

   

女性2人は倒木に座って眺めているし、リーシャは離れてイチゴ採りだ。

「あらあら、楽しみですね~、師匠!」

「大丈夫かな? Cクラスメンバー程度じゃ、きついよ、あの人」

魔法の杖を抱えた二人は観戦気分のようだ。

「回復なら(まか)せてねー、ファイトっ」

手を振っている。


 「へいへい」 父さんは木剣をゆっくりと顔の前に構え、右足をやや前へ。

レフが腰の高さに構え、真剣な顔つきで前かがみになっている。


「始め!」

合図でレフが飛び出す。   

性格が軽そうな人だが身も軽い。

一瞬で間合いを詰めて、剣を突き出す。


父さんは横から軽く当てて剣を(はじ)き、コンッと音が響く。

レフは狙いを変え、次は頭へ、腰へ、腕へ、足へと次々に突きを繰り出すが、父さんは同様に軽く当てて弾いている。

それでもレフは構わず突き続け、徐々に早く、踏み込みが深くなっていく。

これまで全部突きだ。


 カンッと大きく音が響いて、二人が止まった。

「思ったより・やるな!」

父さんが言う 余裕ありげだ。

「いえいえ、今のを軽くいなすとは、さすがですね」

苦笑している。  


 女性二人はニコニコと観戦しているが、グロフは腕組みして座り、睨む様で真剣モードだ。

レフが改めて構え言う。

「では少し本気で行きます!」

「おお、いいとも!」


更に踏み込みが深くなったレフは回り込むように左へかわしながら剣を繰り出すが、今度は突きに切り付けが混じり、動作が徐々に曲線的になっていく。

しかも剣を両手で使う時があり、右へ左へと目まぐるしく振る。


剣だけでなく、体までそうなっていき踊っているようにも見える。   

動作が早くなっているので目で追うのもしんどいほどだ。


 やや間合いをとって、父さんの動きが止まる。

「舞踏剣? 曲葉(きょくよう)剣かな?」

 父さんは少し真剣な顔だ。

「曲葉剣を少し、ほぼ独学ですが・・・」

「独学か・・、惜しいな、左手がおろそかだ」


そう言って再開すると、レフの左腕をタタタンッと続けて叩いた。

「このようにな、左腕を狙われる」

「ツッ」

レフは痛そうに腕を押さえている。

「曲葉剣は左手も大事だ、そこを学んでいないのは惜しいな!」   

 

 「では次だ!」そう父さんが言うと、ズシッと音を立ててグロフが立ち上がる。

棒を持つ手に力が入り、気合の入った表情だ。

もしかして、かなり本気では?


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