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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
1 迷いの章

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クリスタル・ロード 0017  夢と、それからと

少しだけ長いです。

その日は疲れたので早めに寝た。


 身体が沈むように、どんどん深い眠りに入っていくようだ。

真っ暗になったかと思うと、しばらくして先が徐々に明るくなってきた。


何だろう、大勢が集まっている・・・何をしているのか?

走り回って、騒いでいる?・・・・お祭り・・ではないか。

振り回しているのは・・棒?・・・槍か?・・・それに剣?・・・・。

戦なのか? どこの国の? 見た事のない鎧?・・・・え?・・見た事あるか?


ずっと前に見たような?・・・あの鎧に、あの剣、槍、旗、馬具、風景、全て 音も匂いも 空気も 雰囲気もずっと前から知っているような?   

ここはどこだろうか、はるかに遠い所なのか。

 

 林の先、山の向こうに街が見える。

遠い所のはずなのに家並みが、人々が見える。

家の形も、服も、髪型も違う だけど見覚えがある。

あの場所に住んでいたような気がする。


 あの地に住み、あの服を着て、あの家で暮らして、あの御飯(ごはん)で、

家族がいて、友達がいて、知り合いがいて、一緒に遊んで、一緒に働いて、

語り合って、騒いで、共に過ごしたあの場所を、家族や仲間を守りたくて、  

ずっと続いてほしいから、ずっといて欲しいから、皆で暮らしていたいから、

笑っていてほしいから、


 だから力を求めたのに。

あの地と人々を守りたくて、そのための力を、強さを求めたのに、

自分は傷だらけになろうと構わなかったのに、あれほど力を付けたのに、


仲間は大勢いた、(みんな)で戦った、

守るために、守るために、守るために、


 だけど消えていく。  

(みんな)(みんな)、消えていく。

炎と煙の向こうに、消えていく。


何がまずかったんだろう、どこで間違ったんだろう、

でも、もう過ぎてしまった。

この先には何もない。

何もない。


 神様、どうすればよかったんですか

もっと良い方法があったのですか

どうかこの魂に導きを。




 目が覚めた。

もう朝になっている。

夢を見たような気がするが、どんな夢だったのか思い出せない。

気が付くと、顔が濡れている。   

泣いていたんだろうか? 悲しい夢だったのか。


朝日を見てなぜかほっとした。

昨日と同じように1日が始まると感じたから。


 「おはようございまーす」 リーシャの声が聞こえた。

相変わらず朝早いし、元気だ。

母さんは鶏小屋で、卵集めをしているし、父さんは裏庭で素振(すぶ)りだろうか。


あの4人組に準備ができたと伝えに行こうか。

そういえば、パーティ?グループ名? を聞いていないな。

今日聞くとしようか。  


 狭い小屋だけど、我慢してくれるだろうか?

掃除はしたし、寝床も用意した。

小さなテーブル1つとイスが4つ。


宿泊代は無料(ただ)だと、父さんが言ったから、まあ良い方だろう。

風呂の掃除もしておこうか、タオルや石鹸は持ってるかな?

じゃあ、伝えるのは午後がいいか。


朝ごはんよと、呼ぶ声がした。


---------------------------------------------------------------------------



 「「上等!」」 

小屋の中を見たレフとグロフが言った。


「これで無料ですの? なんだか悪いですね」  

「ほんと、雇われた上に部屋がタダなんて、ありがたいよね」

「遠出で仕事のときなんて、野宿がざらだしな」

「そうそう、水浴びさえできないのが何日も続いてねえ?」

「髪や体がザラザラ、ごわごわで、ああああああ!」お嬢様が(もだ)えている。

「お風呂入れるなんて、上等だよねー」 上機嫌である。


 「それで俺達は何をすればいいんだろう?」

「とりあえずは、お風呂のまき割り、掃除、お料理の手伝いに、ニワトリや馬の世話をおねがいしますね」

母さんが言う。

「あとで、うちの人が息子の訓練相手の説明などしますから」  

「はいはい!」


「俺達、3人は料理出来ますから」と、レフ。

3人? できないのはグロフさんかな?

「元貴族のお嬢様なので、察してください」

 フレアを指差して言う。


元貴族? どうりで上品な人だと。

「あら、元貴族なのに冒険者を? すごいわね」 

「いえ、色々ありまして・・・・」

(うつむ)いてしまっている。

聞かない方がよさそうだ。


 「これで1日銀貨3枚とは」  

「そんなに貰っていいのかしら? 部屋と食事付きで」

「確かにずいぶん良い待遇だが」

などと言っているが、皆は父さんのことを知らない。


「いえ、割に合うかどうかはこれからで・・・」

「「「「?」」」」 4人は不思議そうだが。

「父さんの言う [ 訓練相手 ] が、問題なんですよ!」


 それは後のお話で。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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