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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0166  予定外

戦端が開かれた。


トカゲ部隊が敵陣へと突っ込んで行き、土煙を挙げながら駆け抜ける。


すぐに武器を打ち合わせる金属音が響くが、あれも段取りなので本気ではない。

音だけだとなかなかの迫力だし、兵士の声がそれに加わる。


離れて見ていればそれなりの戦場の様だろう。


「出陣!」


グロフの号令で騎馬隊も動き出し、すぐに全力疾走となる。

だがこの馬なら余裕があるし、1時間でも走っていられる。

久しぶりの本気なので馬が張り切っているのを感じるほどだ。


「気を付けろ、そろそろ撃って来るぞ!」  


そう聞こえてすぐ敵陣から大きな火の玉が飛んできて着弾し、炎が上がる。

予定通り隊列の間だが、冷やりとした。


敵の大型兵器数台によるものだが、こちらにはもっと強力なのがある。

それがすぐに始まるはずだが・・・・。


そして敵陣の外縁部に着弾があった。

先ほどの火の玉とは比較にならないほどの衝撃と光が広がり、音で体が揺れる。

敵に当たってはいないがかなり肝を冷やしただろう、事前に見せていないのだから。


煙や土埃でよく見えないがもうすぐ敵陣だ。


「交戦開始だぞ、気合を入れろ」


グロフの指示で抜刀して遂に構えると敵が見え、刃が近づく。  


その剣を弾いて駆け抜け、次の攻撃に備え、伸ばされた槍を切り落とした。

今のは少し近かったし、本気のような力強さだ。


罠かもしれないとの思いが少し強くなる。

そんな時前方から剣が飛んできて思わず剣で防ぐと横へ飛んで地面に刺さった。


今のは・・・偶然か、それとも故意か? 

周りでも次々に剣戟の音が強くなっていくのが聞こえ本気の戦闘のようだ。


「ネビィ、疑ったってしょうがない! やるべきことをすればいいんだ」


グロフに見透かされてしまったか、確かに今考えたってしょうがないか。


「その通りだな、殺さない程度なら問題ない。 ケガ程度は覚悟してくれんと」

ダルシアスは敵の槍をへし折って兵士を弾き飛ばした。  

あれは怪我したかな?  まあいいか。


二人とも気にせず敵を蹴散らして進んで行く。

これは悩んでいたってしょうがない、自分もやるしかないな。

彼らに続いて自分も敵の剣を弾き飛ばして駆けていく。


後方から無数の矢が敵陣へと飛んでいくが、あちらも躊躇がなさそうだ。

狙いは隊列の間、隙間へと吸い込まれるように。


後方では歩兵の剣戟の音が響き始め、レフ達が交戦中だろう。

多分レフは嬉々として剣、盾か? 振るっているに違いない。


と、遠くからズシンと響いて来たのはゴーレムか・・ 大型のが、4体左右からゆっくりと迫って来る。  

武器らしき物は持っていないので本当に歩かせるだけのようだが。


「お~~ でかいのが出て来たぞ、あれを倒したいなネビィ そう思わないか?」

「それは予定外なんで怒られますよ、倒したいけど!」

「私であれば、まず足を砕いてバランスを崩すな」

「砕けるか? ここからだと細く見えたって、実際は太いぞあれ」

「この棒なら可能だ、鉄より丈夫な金剛木だぞ」


矢がゴーレムへと飛んでいき次々に跳ね返され落ちていくが、あれは演出だ。

ゴーレムなら刺さらないのでと許可が出ている。


そのうち太い矢が放たれ、当たると先の仕掛けが爆発するのがある。

しかも煙が多めにしてあって見ごたえがある。  

音を大きめにしてここまでびりびりと響き、良い演出と思う。


特に大きな音の物が混じり、花火のようだ。


「おお~~、なかなかの見応えだな、 兵器部がよくがんばったんじゃないか」


兵器部とは遺跡の武器活用の為新設された部署で、研究と応用、複製を担う。

呪術師のミミーも兵器部となった。

師匠にしごかれるとぼやいていたが、頑張っているのだろう。


遠目であれば本当の戦のようだしこれならあちらの国のメンツも立つに違いない。

それにしても戦で負けなければ従えないというのも妙なメンツだが。


おっと、今突き出された槍も近かった、ゆっくりではあるが一瞬反応が遅れた。

ぼうっとしているとやばそうだ。  

気を引き締めてかからねば、ケガをして恥をかきそうな気がする。


予定通り敵陣を駆け抜け、ゴーレムを横目に通り過ぎてターンをし、隊列を整えて再突入と用意したとき、予測していなかったことが起きた。

一体のゴーレムが腕を振り回して膝を曲げ、地面をこするように兵士を薙ぎ払ったのだ。


「何だ?!」

一瞬で数人が飛ばされてバタバタと地面に落ちた。

しかし飛ばされた人ははよく見ると敵と味方が混ざっている。

ゴーレムは味方さえ攻撃していた。


「ゴーレムが同士討ち? こちらの兵もやられたけど、事故か?!」  


どっちにしたって予定外だ、こんなのは計画に無い・・・ どうして起きた?


考えているうちに動揺が兵士の間に広がって行く。


敵味方両軍の兵士がゴーレムから逃げ出して隊列が乱れ始めた。





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