クリスタル・ロード 0016 監視
「うー、 くらくらするー、 だるいー」
まだ眠そうにゆっくりと起き上がる。
「お疲れ様です、ご無事で何より!」
フレアがソファ脇に跪き、手を包み込むようにしっかりと握っていた。
「あら、あなた どなた?」
まだ眠そうに、半眼で見つめている。
「あなたの愛弟子のフレアですわ! 先生!」
「愛弟子確定かよ」
レフが言う。
「相変わらず先走っているな」
「あの人、いつもああなんですか?」
お嬢様なのでは?
「まあね~・・・」
魔法塾は来週からと言われたが、お嬢様は準備しておくと、ご機嫌で宿に戻って行った。
他の3人はギルドで少しばかりの報酬を受け取り、何か食べていくかと話していたがそこへ父さんがやって来た。
「やあ、君らも協力してくれたそうだな、ギルド長から聞いたよ、感謝する!」
「あの、それはともかく俺達今回の件、疑われてますか?」
そう言うと父さんは少し考えて言った。
「うむ、疑われはしたがな、しかし証拠がない! 因果関係と言うやつだ よって処分保留となった」
「保留・・・」 ジョーイが俯く
「マークされてるわけですね」
「そうだ、この街を出ないようにな、他は自由だ」
「そういえば、門が締まらなかったようですけど何かあったんですか」
父さんに聞くと目をそらし、苦笑した。
「あー、そりゃな、魔物が門に挟まっちまってな、取れなくなってな 参ったよ」
挟まった? それはまた・・・
「誰にも言うなよ、君らもな」
そう言って父さんは仕事に戻って行った。
「参ったな、この街を出るなってか、仕事しないと収入が無いぞ」
「確かに! 魔物狩りを街中では無理だ」
「えー、どうすんの! 宿代はあと5日分程度だよ、1週間持たないよ!」
3人が考え込んでいる。
「あのー、じゃあうちに来ませんか? 少し狭いけど鍛錬用の小屋が有りますから、片づけたら4人泊まれると思います」
「えー いいの?」 ジョーイが聞く。
「マークしてたら近くの方が都合が良いか?と、父さんに聞いときますよ」
「そう出来れば助かるな、うん、頼めるかな?」
「はい、それにフレアさんが塾に通うにも都合良いですよ、近いし」
「あー、あいつは喜ぶな、確かに!」
そうして3人は宿に戻って行った。
夕飯時父さんに話すと、それは確かに良いということになった。
「監視をしていると名目が立つしな、それにお前の鍛錬相手になる」
「鍛錬相手?」
「そろそろ対人戦闘をすべきと思っていた!、収入がないならうちで雇おう! そうだ、そうしよう」
「あらあら」
母さんは言うが、構わないようだ。
「食材、多めに買っておかないと」
「うむ、料理なども少しさせよう、冒険者ならできるだろう」
話がまとまったようだ。
翌日は小屋の片づけと掃除でほぼ終わることに。
暗殺道具モドキを隠さないとならないし・・・・・。
女性がいるので、仕切りも用意しないとね、念のため。
遅くなってすみません。




