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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0159  呪術強化

「果物を貰ったよ~」


家についてカゴに山盛りになった果物を見せると、うちの女性陣が喜んだ。


一人を除いてだが・・・


その一人は ミミー、 呪術師さんだ。

「それ、もう見たくない~~~!」


他領から来た物なので、呪いや毒が無いかを調べさせられたのだそうだ。

あの厳しい師匠の命令で、数日間そればかり。


「ここの果物の方が良い、ブドウやイチゴ貰っていい~?」

良いと言うと喜んで飛びついている。


他の人達は少し珍しいのでもらった果物を分けている。  

「あ、これ甘~い」

「これ少し酸っぱいけど、さわやか」

「これ、フワフワ、柔らかーーい!」


おおむね好評だ、これからこの果物が入って来るんだろう。

ここはいずれ王都のように栄え、賑やかになる。



「あ、ネビィ 私きっとネビィの戦闘力をアップさせられるよ」

ブドウをほおばりながらミミィが、そんなことを言い出した。


「呪術の応用でね~ 師匠にも確認したから多分大丈夫!」

「え、本当に?」


戦力アップはありがたいけど、子供の体だとなおさらそう思うが。  


「え? それ私も!」

今度はリーシャが反応した。


「私も魔術で強化できると思う、空を飛ぶのだって!」

「こらリーシャ、それはまだ早いって言ったでしょう!!」

リーシャ母さん(魔術の先生)から横やりが入る。


「え~~ だって~~~っ」

「もう少し考えてからじゃないと危ないから! 跳躍補助にしておきなさい!」

「うう~っ」


もしかして、ミミーに対抗心・だろうか?

二人が強化を考えてくれるのはありがたいが、ややこしいことになりそうな予感。


他の人等は食べながら二人をちらちらと見ているが、面白がっていないか?


「ネビィ、後で試そうね! 絶対強くなるよ」

「わ、私もするから 少し時間のかかるのもあるけど・・」


そう言ってからバクバクと食べ始めた。

エネルギーを蓄えているのだろうか? 魔力には食事も大事とは聞いたが。


「戦闘力アップの魔法なら、私だって!」

今度はフレアが言い出した。


「ちょっと待て、お前は止めておけ、大雑把なのは危険だ!」

「そうだな、フレアのは他人に使うべきでない、自己責任だ!」

レフ達から止めが入る。  


「何ですか二人とも、失礼ですよ 私はベテランです、大丈夫!」

「どの辺が大丈夫なんだか」

「俺達もフレアとの付き合いはベテランだよ!」


ジョーイは黙って食べ続けている。

こんな時に止めるのは二人の役目なのだろう。


・・・・・・・・・・・・・


そして準備が整った。

魔法塾練習場で、自分とミミー、リーシャ、リーシャ母、その他(見物人)


「今日は練習だから周りに色々置くけどね、実戦では身に着けるか武器に仕込んでだけど、そして戦闘結界を発動すると・・」  


蜃気楼のようなものに囲まれて妙な気配があるが、これがそうなのか。

剣が軽くなったような、重いのに勝手に動くような手応えは初めてだ。


「これが斬撃強化ね、それにこうすると打撃強化、これで敏捷強化! こうだと防御強化だし」

言うたびに感じが変わり、体が軽くなったり周りが遅く感じたりと色々だ。


「全部を同時強化より、切り替える方が呪力を効率よく使えるからね!」

「へえ、これは良いな 自分で発動できるのか」


「そう、補助魔法とは違うから、単独で使用可なんだ」


リーシャがむくれたように黙って見ているが、大丈夫だろうか。

飛べる魔法かはともかく、呪術とは違う体系だろうが両方使えるのか?  


リーシャの考えている方も使えなければまずい よな?


ミミーは枯れ枝を束にしたものをいくつも用意してある。

「ほらこれで、試して試して!」


仕方ない、今はこちらに集中しなければ。


敏捷強化と斬撃強化を使うとして・・・・・

「こうかな?」

フェイントを入れつつ間合いを詰めて、斬撃! 一瞬で束が切れた。



これは良いな、自分でも驚くスピードとパワーだ!!

これなら戦闘力が倍以上か?! と思って。


あ、   


リーシャを見るとご機嫌斜めになっている。



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