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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0147  レフ 出場!

鞭の先に付いた刃物が波打ちながら蛇のように飛んでくる。


刃物は小さいがうねるように向かって来るので避けにくいし、速い。

剣で()ねても次々に来る。


「何やってんの~~! さっさと倒せー!! 斬れ~~!」

酔った勢いでそんなことを言っているのはジョーイだ。

実戦じゃないのだから斬ったらダメだろ。


「酔っぱらってジョーイったらお下品ですね~、声援は品良くですよね、ねえ?」

などとしなだれてくるフレアをよく見ると顔が赤い、この人も酔ってないか?

さっきから妙な態度とは思ったが、そういう事か。


リーシャはむくれてお菓子を口に押込んできたが、中のレーズンが酒に漬けてある。

いい酒だから美味いけど、それをリーシャもバクバクと食べている。

なるほど、リー・シャ・も・か!


「おいレフ、そろそろ本気でやれ!」

グロフが睨むように声をかけると、レフはちらりと見て笑った。

「わかったよ、もう少し見ていたかったが・・やるか」


 やはり手を抜いていたんか、道理でおとなしいと思ったが。

 

曲葉剣(きょくようけん)の技、見せてやるよ」

「そうだ~~、 イケイケ 倒せ~~~っつ」

「おお~ そうそう絶対勝利! ファイト、ファイト!!」

フレアまで浮かれて来たぞ。  


レフの動きが変わった。

飛んでくる鞭を流れるようにいなしながら徐々に間合いを詰めていく。

剣の振りが小さく鋭くなった。

反対に相手の動作が荒くなり、鋭さが鈍っていく。

スキが大きくなるのが他の人にも見えるようだ。


レフへの声援が増えて熱を帯びていく。

相手はあせり出したのか、さらに大振りになって無理が出た。

次の瞬間鞭を弾くとレフが一気に間合いを詰めて剣を突き、首筋に当てた。


実戦なら首を半分は切られていただろう。

二人の動作が止まり、観客が一瞬静まると次には大歓声と太鼓の音が満ちた。


前に練習で見たときよりかなり良くなっていた。


「ふう」

「よっ、鍛えた成果が出たな!」

グロフが背中を叩いて笑う。

「そりゃさんざんしごかれたからな、あの人は曲葉剣の師範みたいだし」

「色々できるらしいぞ、舞踏剣だの断罪剣だの」


「怪物かよ、あの人は」

どうも父さんの事を言っているようだ、歩く凶器と言われないだけいいか。


「よくやった~~っ 勝ったーーーー !!」 バンバン!

ジョーイがレフの背中を叩いているとフレアが頭を強くなでる、グリグリと。   

「痛ててて、 こらお前ら! それが祝福か?」


「また飲んでるな、目を離すと」


この二人はいつもこうなのか? 


まあいいか、次の試合は誰だ?

そう思ったらリーシャがすっくと立ちあがった。

その隣ではフレアが立っている。


? フレアはともかくリーシャは対戦表にあったかと探すが、入っていない。

「フレアさんと戦う!」

そう言って、目が座っている・・・ あ、駄目だ、すっかり酔ってる。


隣ではフレアだが(ひょう)にはあるが、フレアもこの状態で出していいのか?   

「おい止めろ、フレアは今ダメだ!」

グロフも同じ考えのようだ、フレアは魔法を暴走させるだろう。

レフが急いで捕まえる。


「おーい、フレアは取り消しだ! 不戦敗! 体調不良に付きだ! 取り消し!」

じたばたとフレアは暴れるが、レフは放さない。

「何で邪魔するんです! 消し飛ばしますよ!」


レフに会場の外へと引きずられて行きながらまだ騒いでいる。


次の対戦は、グロフとなった。

リーシャは満腹と酔ったせいで寝てしまったので、芝生で横にしておいた。


相手は、レックスの兄貴分? スキンヘッドの・・・名は何だっけ?  

偉そうに棍棒を担いで出てくると名が告げられた。


「対戦相手は、パイソン・ジャイアント~~~ !!」


・・・・・・・・・・・・・・・ これ、本名か?!

芸名?  こいつ、大道芸人でもしているのか?



グロフは構わず槍を持って出ている、 そして二人は睨み合う。


観客は大きな二人の迫力に喝采である。


ますます騒ぎが大きくなったとき、開始の鐘が鳴らされた。




新作の連載を開始しました


異界の刀鍛冶 ~1日5分だけ最強勇者!!~


よろしくお願いします。

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