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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0139  呪詛の発動

予感が当たった。


「呪い・ですか?」


「そうだ、国王に呪いをかける!」

領主が不穏な事を笑顔で軽く言う。


呪術士グラナダさんと弟子(でし)のミミー・ムーアさんが領主の隣で頷く。

ムーアさんはかなり渋い顔だが。

この人は呪いとか向いてないとか言ってたような・・そのせいか。


「呪術とはこういう時こそ本領を発揮する、戦より被害を抑えられるからね」

グロフ達が一緒に聞いて同様に頷いている。

「そうですね、兵器は有るが戦はマズイ、被害が大きいですし」   

「他国まで巻き込みそうだしな」


「その通りだ、防戦ならともかく攻撃には慎重でないとね、だからこそ・さ」

国王派の貴族や他国の王に助力要請して、兵を派遣させる事も有り得る。

内乱だけで済まない事もあるから・・・。


「そこで呪術さ、間に合ってよかったよ、だいぶ前からグラナダ氏にはお願いをしていてね・・ 引き受けてもらえて幸運だ お礼を言わせてもらいますよ」。


グラナダさんはお茶を飲んで一息ついてから話す。

「あたしゃここの味方ではないけど・あの国王のあくどさは聞いてるし、遺跡の書物は全部読んでよいと言われたからね、呪術研究の為にだよ」


ムーアはまだ、浮かない顔だ・・・苦手なだけでなく、こき使われているようだし。

そのうちまた逃げるのだろうか?


浮かない顔と言えば自分の隣に座っているリーシャやフレアも同様だ。

リーシャは多分呪いのイメージの悪さだろうが、フレアは元貴族だから家督争いとか

嫌な記憶があるのかな?

だが二人とも黙っている、後で聞いておこうか。


領主が話を続ける。

「そして皆に話したのは、呪術の際なるべく敵・国王の近くまで行く必要があって、

その際の補助や護衛を頼みたいからだ、もちろん兵士も付けるがね」


「近く、とは、近い方が効果が強いからですか?」

グロフから質問が出た。   

「私から説明しよう、それは呪詛返しに備えてなんだ」

グラナダがお菓子を食べながら言う。

「距離には関係無しで、呪い返しを受けた場合向こうに被害が出るようにする為さ、

ここに返されるとまずいだろ?」


「呪い返し?」

向こうにそんな事出来る人がいるのだろうか? 呪術師が?


「君等も知っているだろう? 黒衣の教団と戦ったよね?」

領主がニヤリと見つめてくる・・ あいつ等か。


確かに妙な術を使って来た、そう言えばあれは呪術なのか。

それに国王とつながりが有るらしいとも聞いたな・・・・ 。   



「彼らは呪詛に備えているだろうね、それはこちらもだが」


「なるほど、わかりましたがそれだと無効化されて終わりなのでは?」

グロフがまた聞くが、領主は予測したように返した。

「そこは遺跡の書物でね、こちらは技術レベルが上だよ だから準備してある」


「そうだよ、今までかかっちまったがやっと(まと)まったさね」

グラナダがお茶を飲んで息をつき、ほっとした顔になった。


隣りのムーアも少しくつろいでお茶を飲んだ。



「では、これから呪詛の計画手順を話すよ、よく聞いてくれ・・」

領主が真剣な顔となり、皆が前のめりになって集中すると話が続けられた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   


・・・・・・・・・・・・・



数日後、決行日となった。


時は深夜。


あらかじめ仕掛けておいた転移盤へと飛び、国王の城の近くへ着いた。


いつものメンバーに今回はリーシャの母(魔術教師)が加わった。

敵地に潜入と聞いてリーシャの事が心配らしい。


全員に隠蔽(いんぺい)の術が掛けられ、姿を消して行動となる。


半月が出ているのでいくらか明るく行動しやすい。

計画通りに皆黙って素早く移動していく。

術があるので足音さえなく走ることが出来ている。   


城が見えてきたところで二手に分かれて行動することになった。

それぞれにグラナダとムーアが付いて、先導して走り城を囲む円のルートを取る。

その円の上に呪術の(かなめ)となるアイテムを仕掛けていくのだ。


途中、警備兵が近くに見えたが見つかることなく通り過ぎることが出来たが、背筋が冷やりとする瞬間だった。

リーシャが服の裾を掴んでいるが、大丈夫と頷いて見せる。


後ろのリーシャ母が杖を握り兵士を睨んでいたが、攻撃せずに堪えてくれたようだ。

今騒ぎを起こされるのは困るのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


30分ほどで仕掛けの配置が済んだ。   

別れたグループが最後のポイントに着いて、無事合流できた。

後は呪術の発動だけだ・・・ ここまでは問題が無い、そして。


最後の場所でグラナダが魔石を重ねて置き、皆で外側へ少し離れ発動させた。



その石が暗い紫色の炎に包まれたように見える。

あれも隠蔽術で一般には見えないらしい。


呪いが始まった。

妙な気配が漂っているように感じるが、気のせいだろうか?

魔法と違って不気味さがあるのだ。


今頃国王はどうなっているのだろう?


そして大きくなった紫の炎は街の各所から、ゆっくりと城へ向かって行くようだ。


みな黙ってそれを見つめている。



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