クリスタル・ロード 0136 猛毒?!
短くてすみません。
氷の矢が風と共に渦を巻いて飛んでくる。
「二重魔法?!」
二重魔法はかなり難しいはずだが、よほどの腕なのかあっさりと放っていた。
こちらからまたシールドが張られるが、抜けたのが飛んできて兵士に刺さる。
自分にも飛んでくるが剣で払い落とした。
ジャンヌとジョーイは引き続き矢を射っているが、爆発するものさえ防がれている。
「もう、こうなったらやりますわ!」
フレアが業を煮やしたようにそう叫んで杖を掲げた。
「え?! ちょっと待て、フレア!」
「おい、あれはダメだぞ!」
レフとグロフが慌てたように止めているが、これはもしやアレか?
「大いなる滝 !!」
やっぱりやるかい?
敵に向かって鉄砲水のごとく流れていく。
「地下で水魔法かい?! やっぱりおおざっぱな奴だね !」
敵兵が流され始めたが、あの二人は魔法防御かなんとかとどまっている。
こちらの兵士も流されそうだがゴーレムにしがみついて無事のようだ。
「だから待てと言ったのに!」
「全くだ」
「フリーズ!!」
後ろからクリーグの声が聞こえた。
水がすぐに凍っていき、兵士たちを含めて固まる。
味方も敵もだ、いいのかそれで?
敵のあの二人もシールドごと凍っていくが、捕らえられるのか?!
「クっ この・・ 砕けろ!!」
まわりの氷が砕けて飛び、一部がこちらに向かって来る・ おっと!
剣で弾くが手が痺れた。
その時奴らの後ろで別の兵の声がした。
「旦那! 姉さん! めぼしい物を回収しましたぜ、たっぷりとね」
「潮時だね、帰るよ 牙!」
「待てよ、こいつを始末しないとまずいだろ!」
「殺りたきゃ一人でしな! 置いてくからね」
牙と呼ばれた男は一瞬こちらを睨んで、悔しそうに歯を見せたが背を向けた。
「殺るのは今度だ、またな!」
こちらに向かって何かを投げたように見えるとすぐ煙が広がって、兵士が咳込んだ。
「毒だ! 口を塞げ!」
自分もやばいと感じて息を止めるが、喉が焼けるように痛む。
かなりの毒だ。
「「風よ!」」
フレアとクリーグが魔法で吹き飛ばすが、既に被害が出ているし敵は逃げている。
なんて逃げ足が速いのか、姿が見えなくなった。
あれは飛んで行ったのか?!
「グフッ !」
自分の口から血が出て来た。
これは本当にまずい、並みの毒ならこれほどにはならないはず。
自分は少し毒耐性があるから、これでは一般の兵は死にかねない。
風が毒を飛ばしているが、兵士はバタバタと倒れていく。
中には敵兵もいるようだ・・逃げ遅れたか? 敵はお構いなしか。
めまいがしてきたが、倒れるわけにいはいかない。
リーシャは無事なのか? 後ろを見るが姿が見えない、どこだ?!
「リ・ ゴホッ」
リーシャと言おうとしたが言えなかった。
どこだ?




