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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0135  一騎打ち

「今、俺を斬ると言ったのか? ああ?」


細身のそいつが目の色を変えた。


憑りつかれたようなあの目は見た事がある、ずっと前にだ。

あれは狂気の混じった目だ。


この遺跡に強力な武器があるのはわかっていたはずだが、それでも来るのはそれなりの奴だろうとは思ったが、まともではないだろう。

生かしておくと(ろく)なことはない。


「言ったぞ、それがどうした?」

「お子様が言うじゃないか? 俺が誰だかわかってるのか?」


有名人なのか?    

「知らないが、まともでないのはわかるぞ」

「傭兵団モリブデンの 右の牙、ゴーズ だ! と言ってもお前はすぐ死ぬが」


「盗賊団じゃないのか? 誰が雇ったんだ?」


「あ~~~、 悪魔に雇われたんだ・・死神だったかな? 疫病神だっけ?」

国王とは言わないか、依頼人の秘密かい?


「遺体は国王に送っておくよ、花束を入れて」


「どこから斬るか・決まったぞ! まずその口を一文字に、次に舌を切り取る!」

にやけながら、目がますます狂気に彩られる。


やっぱりイカレタ奴だな、戦いでは急所をすぐ狙うべきだ。

遊んでいる場合か・?   


「自分も決まった、 じゃあ始めるか!」   


他の兵達は武器を構えながらも、こちらの戦いを見つめている。

これではまるで一騎打ちだな? 乱戦よりありがたいが・・・罠だろうかとも思う。


向こうは大きめで厚めの剣で細身の割には軽く振り回す。

こちらは薄くて小さめではあるが、遺跡の特別製だから切れが違う。

こちらは遊ぶ気など無い。


真剣勝負など、何年ぶりだろう?


体の血がたぎっていく・・剣が全身を導くように体が動いていた。

風の音が嵐のように聞こえる。

刃が奴の首を斬る為に向かうと火花が飛んで金属音が響いた。   


「うおっ!!」

敵は剣で受け止めていた。

「こいつ、本当にガキか?!」

狂気の目に驚愕が混ざっている・・が、こちらも驚いた。


奴の剣が折れていない! 遺跡の剣を受けたのに?


「やたらにいい剣を持ってるようだが、こっちも特別製でな、 竜の牙入りだ」


竜?! ドラゴンソードってのか? 

聞いたことはあるが、本当にそんなのがあるとは!?

だから遺跡の剣に張り合えるのか。


「言ったろうが、俺は右の牙! 竜の牙使いだ」   


偉そうな口ぶりから大仰な動きだが、横振りから来る剣は重い!

次は縦、次は斜め下からと重い攻撃が来る。

大きな敵と戦っているようだ。

見た目よりずっと力があって、相当鍛えてあるのがわかる。


だがこれほどの相手なら・・全力を出せる。

遠慮など要らない。


相手が息を抜いた時、こちらの攻める番がやってきた。


全身の気を剣に集めて飛び込んで行く。

受けられるなら、やってみろ・ 秘技 兜割り!!  頭を狙うぞ。


一段と大きな音が辺りに響き、皆が驚いて見つめる。   

剣から破片が飛ぶのが見えた。

相手の剣が欠けていた、が、折れてはいない。

さすがはドラゴンソード、か。


奴は両手で剣を支えていたが、手が震えている。

「こ、この野郎! なんてやつ・だ」


その時、炎の塊がいくつか飛んできた、魔法攻撃か!?


だが「シールド!」 とクリーグの声とともにそれは防がれて、ほっとした。


「おい! 邪魔するなと言ったろう!」

男がターバンに向かって叫んでいる・あいつの攻撃か。


「押されていて何言ってるんだか、子供相手にモタモタと!」   


「違う! せっかく味わってたんだぞ」

「あ~~ ハイハイ、付き合ってられないね・・・ さっさと決めるよ」



そう言うと遺跡の中に強風が吹いて、氷の矢がばら撒かれるように飛んできた。




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