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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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134/200

クリスタル・ロード 0134  ゴーレム使い

「ゴーレムを出すぞ!」


グロフが言って運搬用のゴーレムに乗り込み、動き出すとレフも乗り込んだ。

いつの間にか2台持ってきていたか、敵へと向かっていくと味方の盾にする。


「おいおい、何だありゃ?」

「ふん、あれでもゴーレムか、おかしなものを出したね」

敵が少し驚いたが戦慣れしているのか、ふてぶてしく怯えは無いようだ。


ジャンヌとジョーイが盾の後ろから狙いを付けるが・・動じていないのか?

更に敵が入って人数が増していく。

あれは、盗賊団なのかまちまちの服装と武器である。


先頭に立つのが先ほどの細身の男、次がターバンで顔を隠した女?、その他で

総勢は今の所、十数人かな。


睨み合いのような状況だったが、フレアが詠唱をしていて魔法発動させた。

敵側の床や壁が凍っていき丸ごと氷漬けかと思った瞬間、ターバンが杖を振る。

すると眩しいほどの炎に覆われ、氷が砕けた。

反魔法をぶつけて消去してきたか。


「なかなかの力だけど、おおざっぱだねえ~ 魔法は繊細に扱わないとね」

ターバンの隙間の目が笑っているように見え、フレアが悔しそうに歯噛みする。

ジョーイが話に構わず矢を放つ・ターバンを狙って。


しかし直前でぴたりと止まって床に落ちた。

無詠唱で止めたか? かなりの術者のようだ。   


しかし今度はジャンヌが2本の矢をつがえて射ると、二人に向かっていく。

でも、また避けるか止めるのではと思うが・・・・ だが違った。

両方が爆発をした。


あれは特殊な矢か、しかも目を傷める煙付きの物だ。


「ぶあっ 、 くそ、変な物使いやがって」

ターバンの方も目を傷めながらも魔法で煙を払う。

「やっぱり良い弓兵がいるね、先にあいつをやるか?」

などと、ふざけたことを言う。


「そうはいくか」

グロフがゴーレムを進めながら、槍で攻撃し、敵を倒していきターバンに迫る。

レフも同様で、こちらの兵士たちが続く。

「今だ、押し返せ!」

今度は攻勢に出る。


自分も攻めていきたいがリーシャから離れるわけにはいかないので無理か。


ジョーイも爆発する矢を使い始め、ジャンヌは速度を上げる。

敵の後方にも矢を降らせると、向こうは浮足立った。

「このやろ、やるじゃないか!」


「言ってないでさっさと飛び込め! 援護してやる」

ターバンの叫びが聞こえた。


「リーシャは後ろにいてくれ、来るぞ!」   

『我も参戦しよう、護衛もな』

杖が言い出すが・・・ 護衛に専念してくれる方が・ まあいいか頼りになるし。


「行くぞ! 野郎ども ついてこい!」

先頭の男が叫ぶと、ターバンの魔法なのか数人と共に飛び上がりゴーレムを超えて来て衛士隊に斬りかかった。


グロフが急いでゴーレムから降りて槍を構える。

「レフはそのまま乗ってろ、こっちは俺がやる」


言われてレフはゴーレムを動かし敵を押し返すが、一台では抜けられてしまう。

敵兵がどんどん向かって来る。

乱戦に慣れているようで、これは盗賊団だろうか? 国王に雇われたか。


こちらの兵士が押されているのは、技量よりも実戦慣れの差のようだ。


そして抜けて来た敵が目の前まで来た。

やっと戦える・よくぞ来た、勇敢な敵よ! 刃を交えようぞ。


ひと振りで相手の剣を折った、これは遺跡の剣だから切れ味が違うぞ。

驚いている相手をみね打ちにする。

リーシャに残酷な事を見せたくないので。


同様に次々倒していくと、あの男が睨んでいるのに気付いた。

「やたら強いガキがいると聞いたが、あいつか!」


自分の噂が伝わっているのか? 誰から聞いたんだ?


「俺が()る! 誰も手を出すな!」   


ヤルときたか、じゃあこっちも本気を出すぞ。


「リーシャ、目をつぶっていてくれ! 奴を斬る」



後ろで息をのむ音が聞こえたが、目を開いている気がする。




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