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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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132/200

クリスタル・ロード 0132  仕事の大成功を祝って

一度、帰宅することになった。


遺跡は兵士が警備している。

もちろん厳戒態勢である。


街までは転移盤があるので、一足飛びであり便利で安全だ。


リーシャやグロフ達と共に街に着き、家へ向かう。

「商店街でお土産を買っていこうか?」

今回、遺跡で採れたものがあまりないし・な?


「果物と肉が少し残っているよ、だからお菓子でも買っていこうか?」

リーシャがお菓子屋を指さして言う、ケーキなどが並んでいて旨そうだ。


「俺達は酒を買っていこう、ワインやシャンペン、ビールもかな?」   

「そうですわね、少し良い物にしましょう、お祝いですもの♪」

「そうだ~ ! お金いっぱい貰えるし、色々買おう~」


グロフ達、まだうちに来てくれるようだ。

冒険者としてよりうちで働くのが楽しそうだ・・風呂も有るし部屋も良いかな?


「石鹸とシャンプーも買いましょうか、お風呂入るし」

「あ、そうだ~ 長風呂したい~~!」

「そうだ、風呂な~ 俺達も入るぞ~~ 入浴剤買うか?」


やはり風呂がお気に入りのようだ。

夕飯の後は長風呂だろう、自分の入る時間があるだろうか?


色々買いこんでから帰宅すると、リーシャの母さんもいて夕飯の支度中である。

一緒に食べるようで、外にかまどを用意してある。

「お帰り、もうすぐできるからね」

 

「じゃあ私もするね~」

リーシャが荷物を下ろして準備に加わり、肉などを出している。


「なら俺達は焼肉の準備など」

焚火の用意を始める。

「では自分は風呂の用意しときますね」

早めにしておいた方が良さそうだ・・・長風呂だそうだしな。


「あ~~、 ホントにみんな帰って来てる~~~」

その時少し疲れた声が聞こえた・ 誰だ? と思ったらムーアさん(露天商)だ。

しばらく見なかったから忘れていたな。


「そう言えばムーアさんは領主の邸宅に行ってたんでしたか?」

師匠と共に呪術に関する調査だったかな・・。


「そうよ、今までずっとあそこに閉じ込められて働かされて・・あの鬼師匠に!」

鬼とは・・・かなりしごかれていたようだ。

「今日は特別に帰って良しと言われたけど、つ、疲れた~~~」


「だいぶん進みましたか」

「進んだよそりゃ、進めないと寝られなかったし、怒鳴るし! 叩くし!」


かなりきつかったようだ、気の毒に。


「私の事忘れていなかった? いないよね?」   

顔を正面から近づけて見つめられる。    

「もちろんですよ、何を言うんですか、 お土産(みやげ)有りますよ」

本当は少し忘れていたけど・・


果物とお菓子の一番良いのを上げよう。

仕事のつらさは食べ物で忘れてくれ。


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


成功祝いのパーティが始まった。

父さんが今日は早めに帰って来て加わる。

国王との冷戦状態ではあるが、今日の所はそれを忘れて祝うのだろう。


皆、緊張感はありながらもずいぶん食べて、飲む。   


【 最後の晩餐 】の文字が頭にちらつくが、そうはなるまい。

ならないように準備したのだ。


衛士隊が厳戒態勢だし、ムーアさん達の呪術も準備中、そして遺跡の兵器も。


明日からはまた杖と共に次の兵器の準備である。

リーシャの母さんが明日からは一緒に行くそうだ。

やはり娘の事が心配になったようで、しばらく学校はお休みとなるが仕方あるまい。


それにしても隣町の悪徳領主は本当に死んだのだろうか?

そして腹黒国王は、どんな手を使って来るだろう?


「ほらネビィ、難しい顔してないで食べなさいよ、ほらほら!」

皿に肉や野菜を山盛りにされ、リーシャからも果物の皿を渡される。   


二人から見透かされたかな?


腹が苦しくなりながらも、夜が更けていく。




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