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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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127/200

クリスタル・ロード 0127  マニュアルは?

「くじ引きにしようか?」


ジョーイがそんなことを言い出した。


くじ引き・て !?

武器なんだよ、戦の道具なんだよ!


「う~~ん、 そうするのもありかな?」

グロフまでそんなことを言った。


「ふざけてるわけじゃなくてな、俺達にどの武器が最適かなんてわからんだろ?」

「そうだな、戦略的だの政治的にだってな? 俺らは冒険者に過ぎないし、な?」

グロフとレフがそういうのも、もっともか。


領主が来るのを待つのも・・時間の無駄かな?   


それではと各自が一つづつ武器を選んだうえで、くじ引きをする事になった。

威嚇の意味があるので、どれも大きめの武器である。


リーシャが選んだのは大きな花の様でこれが武器かと思う代物だ。

これから玉が発射されるのかと思うが、それらしき物が見当たらないが?

どんな攻撃なのか謎の武器だ。

「私もどうなるかわからないで選んだの・・もしかしてただの照明器具とか?」


リーシャらしいが、ここにある以上は兵器関連のはずだがなあ。

・・・・・


そして決まったのはジャンヌさんの選んだ、弓のような兵器である。

しかし飛ぶのは矢ではなく、細い箱が束ねられた平たい物? 何の意味がと思うが

そういう物なんだろう、どうせ自分らには不明なのだ。   



『決まったな! ではこれを調べる故、他の者は休憩だ』


みんなようやく休めることになって、座って(くつろ)いだ。


「おなかすいた~~」

「そうですね、お茶を飲みたいし、準備しますか?」


「後は領主の連絡待ちだし、メシにするか」

レフがそう言うと、ツインハンマのパーティもそうしている。


「やっと飯かよ、ふ~う」

「お前は何もしてないだろ!、支度しろ」


「スープでも作ろうか?」

「うん、乾燥野菜と貝柱があるよ・・それに昆布が」   

リーシャがすぐに手際よく準備を始める。

自分はお湯を沸かしておこう。



********************************


食事が終わって仮眠していたら、夢を見ていた。


ずっとずっと昔、どこか遠い所の国のこと、家族や仲間の事、毎日の生活、

その地での食事や仕事、家や畑、川や湖、滝や海、天気や季節が取り留めなく流れていった。

あれはいつだったのだろうか? 

気候も言葉も違う国。

国の名前は? 身内の顔は? どうだったろう?


何だか思い出せない、知っているはずなのに・・・・   

ずいぶん悲しいことがあったような?


大事な事だったような?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


大事な、大事な、それだけは確かな事だ。


ああ、そうだな、大事な事だ。


・・・・



体が揺れている。

何かと思えばリーシャが自分の肩を揺らして、起こされたのだった。

「あ、起きた?」


皆も起き出したところで、だいぶ時間がたったような気がする。   



「使い方が分かったって、杖が、あと、領主様がこちらに来るって連絡が」

「そうか・・」



「とりあえず、これを運ぶことにしてな、今準備中だ」

グロフが先に起きて用意していたらしい。

レフはまだ眠そうな顔だが、荷物をまとめている。


「領主からの連絡によるとな、向こうはいよいよキナ臭くなっているようで、こいつをさっそく使わねばならんかも・な」


見つけたばかりなのに、もう使う話か?

大丈夫だろうか?


「心配はもっともなんだが、使わないともっと悪くなりそうだぞ」   


「アイテムを温存して事態を悪化させるのは、冒険者でもまずい手だからな」

グロフの言葉にレフが続けた。

そうだな、使うべき所で使わないと。


「じゃあみんな、いいか? 運び出すぞ」


グロフが武器の台を操作するとかなり重いはずの物がゆっくりと滑るように動く。

自走式らしく、台車は使っていない。

どんな仕組みかこれも凄い技術なのだろう。


そうして大型の転移盤から武器と共に戻っていく。


二度目の転移盤から出たとき、領主がやってきた。


あの軽い性格の領主とは別人のように、引き締まった表情をしている。  




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