表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
1 迷いの章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/200

クリスタル・ロード 0011  魔物襲来

 ギルド内の人達も何だ何だと注目している。

通りでは空を見上げたり、立ち止まり辺りを見回したり顔を見合わせたりと戸惑いながら声を上げている。


すると通りの向こうから何か小さなものが駆けてきて人々の間を抜けて来た。

しっぽの短いきつねのような動物だが、1匹ではない。

次々と駆けてきて通りを騒がしていく。

そのうち商店主の一人が「この野郎!」と、(ほうき)でたたくと、「いででで」と声をあげた。


え? あ、叩いた人の声か、 ? 何で?

するとその人が(かが)んで足を抑えている? 何か刺さっているような? 

「ハリギツネだ」

どこかから声が上がり、女性の叫び声が響いた。

針を飛ばしたのか? どうも魔物らしい。

その時にはギルド内の冒険者達も入り口に来て、身を乗り出している。


「魔物が出たのか?!」と、それぞれが武器に手をかけ、外に向かう。

「俺達も行くか」

4人組も来て脇を通り、最後の御嬢様(フレア)が振り向いて「君は危ないからここにいてね」と手を振る。

優しい人だが、大丈夫だろうか?


通りの先からは更に笛の()が響き、魔物が次々にやって来る。

キツネ以外のもいるようだが、少し大きいのと、小さいのが数匹だ。


「小型の魔物だけのようね、危険性は低いけど数はどれほどか」

横から声を掛けられた。

誰だと思ったらリーシャの母さんだ。


小さな杖を持って・・そういえば魔法を使えるんだったか。

使っているのを見た事は無いが、どの程度できるんだろう?


「出るんですか?」

「出番があればね、・・現役の人達がもう行ってるから」


そう言ったとき魔物の小さな一匹がジャンプして向かって来た。

「シールド!」

杖を向けると、そいつは見えない壁に当たったように跳ね返って転がり落ち、近くの冒険者に剣の背で叩かれた。

おお、みね打ちだ。 

「少しは出番あるようね」と、嬉しそうだ。


通りの方々(ほうぼう)で魔物が仕留められていくが、怪我人も少し居そうだ。

「ケガをした方はギルドに来てくださーい」とリーシャの母さんが呼びかけると数人がこちらに向かって来る。


「回復も少しできるから」と、怪我人を迎えている。

 その時、遠くからまた笛の()が響いたが、今度は小刻みで鳴り方が違う。


ギルド内部がざわついた。

「おいおい、何かやばくないか?!」

「今度は何だよ!」 と、皆顔色が変わっている。

外では「逃げろ!」と声が上がって、慌てているようだ。  


 通りの人達の動きが変わる。

道を開けるように両脇に寄り、警戒態勢だろうか、小さい魔物をスルーしている。

そのうち遠くから音が響き、少し大きな魔物が姿を現し向かって来る。

3頭、5頭、10頭と、徐々に増して土煙を上げながら。


地響きが通りにこだましている。

いったい何が起こったのか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ