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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0108  幻覚と実体

「クリーグさん、支援をよろしく!」


「わかった」


レフが剣を抜き、グロフは槍を構える。

自分も剣を、遺跡で見つけた切れ味の違う物を抜いた。


リーシャは予定通り後方で待機している。


ジャンヌは少し距離を取って弓を構えた。


フレアは後方でシールドを詠唱している。


「俺が切り込むぞ!」

レフが先陣を切って突っ込んでいくとグロフが続き、自分も追う。

グロフは左へ自分は右だ。   


レフが真ん中の敵を狙うが、両側の敵が動いた。

腕を振り回すと袖から黒い液が撒かれる。

また前の毒液か?


「シールド!」

フレアの声が聞こえたので、今度は防げるはずだ。

だがレフやグロフの服に液がかかって、ジュッと音を上げ煙が出た。


「シールドが効かない?!」


「違う! 幻覚だ!」

クリーグ氏の声が後ろから聞こえた。

幻覚!?   


よく見ると二人が二重にみえる? 幻覚と実体だろうか?

実体の方には液がかかっていないようだ。

シールドが効いているのが本当なのか?!


「そういう事かよ! 大体わかった」

レフもわかったらしく、そう言って真ん中の敵へ斬りかかる。

しかし寸前に体が消えた。


「それも幻覚だ!」

また後ろからクリーグ氏の声がすると敵の姿が少しずれて現れた。

実体と幻覚の位置がずれているようだ。


「全くややこしいな」   

グロフが冷静に言うが本当に厄介な敵だが、今回はクリーグが付いている。

ジャンヌさんもいるので心強い。


しかし敵の幻覚を完全無効化とはいかないようだ。

なら気配で探るか、仕掛けがわかれば何とかなるはずだ。


位置のずれは少しなので草を踏む音に集中すれば大体わかる。

敵の位置・・は、実体より右前! そこを目がけて斬りかかると手ごたえあった。

血しぶきが飛んだ。


当たった! 

と思ったが、獣だった。

猪のような獣がそこに現れ、血を流して倒れた。   


驚いた! 

「これも幻覚か?」


「獣は本物だ! 見えなかったのが幻覚なんだ!!」


「ええい、ややこしい! 」

「全くだな、何とかならんか?!」

レフとグロフがぼやいている。


本当だ! まるで身代わりの術だ、集中すれば何とかなるかと思うが。


そこへ矢が飛んできて、獣が現れ刺さった。

他にもいたようで、ジャンヌには見えたのか?


「相手は獣を操るようだぞ!」   

また後ろから声がした。

「獣が増えたらシールドが持ちませんよ!」

フレアが少し焦っている。


ゆっくりはしていられないか、とにかく敵を倒さないと。

気配に集中して敵と獣の位置を探りながら向かう。


見えて来た。

幻覚の左、ここだ、剣を振ると当たった。

今度は大きな獣で、強い手ごたえと共に叫び声が上がり倒れた。


その直ぐ後、別の気配が右に来て切った。

今度は鹿のような獣がドスンと倒れた。   


次々に獣がやって来る気配がする、しかしどれも見えない。

どれほど来るのかと思いながら切り捨てながら敵へ向かうが近づけない。


まるで獣の壁のようになってきた。

獣の足音と振動があたりに響く。


「おいおい、きりがないぞ」

「弱音を吐かないでよ!」

ジョーイの声が響いて矢が飛んできたら、獣が倒れる。


その直ぐあと強い矢が別の大型獣を仕留めた。

「全くです、戦に比べればこの程度は楽な方ですよ!」


ジャンヌからも檄が飛ぶ。   


そうだ、戦では数百、数千の敵がなだれ込んできたことがあった。

ずっと、ずっと昔の事だが、そんな記憶がある。


腕が痺れ足が重くなったことがあった。

それに比べれば・・・そう思い、更に前進し、斬りかかると獣が数頭倒れた。


それでも前進し剣を振るう、次々と。


そして違う手ごたえがあった。

人間の腕が宙に飛んでいる。


「ぎゃっ」

そんな声がして黒フードの敵の姿が・・片腕を失っていた。




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