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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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106/200

クリスタル・ロード 0106  獲物が次々に

クリーグさんの魔法が池に放たれ、風が渦を巻き水をまき上げる。


噴水のように水が飛び散るうちに魚が飛び出て来た。


初めは小さなのが一、二匹だったが渦が池を渡るうち大きなのが現れ、岸に落ちる。

「おお、来た来た」


小さいのから大きいのまで、様々な魚が次々落ちて来た。

「わ~、いっぱい」

「こりゃ 大きい!」

「もういいのでは? 食べきれないほど降ってきました」


本当に、全部で数十匹あるよな? 食べられるかな?


「余ったら塩漬けにしよう、塩も持って来たから」   


そこまでしてあるのか? 前にそんなことを言っていたか?


「この程度でいいね」

余裕でクリーグさんはそう言うとフレアは少しむくれて彼を見つめている。

フレアでは獲物を台無しにするらしいしな。


すぐに池の脇に焚火の用意をして火を起こした。

「あ、ここにカニとエビ?ザリガニ?もいるよ、食べられるかな?」

リーシャが捕まえて来た。


「一応焼いてみよう、味見すればわかるだろう」


何だか今回は食べてばかりになりそうな気がする。


「それにしても今回は危険が少なそうだな、せっかく凄腕が二人も付いてるのに」  

レフも似た事を考えている。


「まだ安全とは限らないぞ、油断するな!」

グロフはさすがに用心深く、辺りを見つめている。


「そうですね、そろそろ来そうですよ」

ジャンヌが脇に置いてあった弓を取り、池の向こうを注視している。


「本当、変な気配が近づいてますね・・」

フレアは杖を構えた。


この気配は・・・獣かな? 少し大きいか、猪? それとも山猫か?


焼けた魚やカニの香ばしい煙が広がっている。

この匂いにひかれて来たかな?   


池の向こうの灌木の間に動く物が見えた。

あれだろうか? ゆっくりと池を回り込んできている。

(ひょう)? に、鎧を着せたような黒い獣だ。


グロフが槍を構える。

「自分がやるか? あの程度なら問題ないな」


「いえ、私にさせてください、この弓を実戦で試したいので」

あれはジョーイのと同じ強度を変えられる特別製だ。

ぜひ使うところを見せてほしい。


「では私が防御魔法を」

フレアが杖を持ち詠唱始める、 誰かさんに見せつけるかのようだ。   


ジョーイは期待して見つめている・・尊敬する弓兵だからか。

ジャンヌは強い弓を物ともせず引き狙いを付け、すぐ放った。

ギャウっと声を上げたが鎧のような体で浅かったか、動いている。


素早く次の矢をつがえて放つと今度はドスっと音がして刺さった。

獣は倒れてそのままだ。


「今のは矢が違いました?」

ジョーイが聞くと弓を下ろしたジャンヌが言った。

「重い矢に変えたんだ、あれなら甲羅も貫ける」


だがまだ気配が消えていないようだ。

「ん? まだいるのか?」   


自分が言うとジャンヌが辺りを警戒した。

「確かに、まだ・・・・もっと大きいのが来たか」


すぐに次の矢をつがえて構える。

今度は熊か牛のような大きさで、ごつい体の獣だ。

ジャンヌは弓の強度を上げるレバーをカキンと動かした。


その弓を難なく引き絞っていき、ジョーイが息をのんだ。


そして矢を放つと木の陰の的をドスンと貫いた。

今度は一発で仕留めたか、ぐらりと揺れてどさっとその場で倒れた。


ジョーイが素早く確認に走り、レフが慌てて剣を抜いて追っていく。


獣を確認したレフはそこから手を振っている。   

「お見事! いい肉が取れるぞ!」



「さすがですね~ あのサイズを一発でだなんて!」

ジョーイがジャンヌに近づいていく。

「これは本当に良い弓だ、強いし安定している、良い物を貰ったよ」



あれは以前プレゼントしたものだ。

本当に、気に入ってくれて良かった。


「私は使いこなせてないんですけど」

と、ジョーイは苦笑して言っている。

その辺は今後の課題だな、筋力がそもそも違うし。



「さーて肉をさばくぞ、皆手伝えよ!」   

レフが言って小型ナイフを出して構える。


しかし少し切った所で手が止まることになった。

手元が暗くなったのだ。

空を大きな鳥が旋回して、獲物を狙っていた。


あれは、(たか)(わし)だろうか?


しかしその向こう、もっと高い所にいるのはワイバーン? 翼竜と言うのか?


大物がこちらに向かっていた。




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