クリスタル・ロード 0105 ハイキングのような?
美味い果実なので少し持っていこう、食料になるしお土産にも。
「他にもありそうだがこれも美味いしな」
皆持っていくようだ。
「でも早く進まないといけませんね、凄い広いですし」
フレアは食べながら歩き出す、ジョーイも歩きながら食べ、採っていく。
「ホント美味しい! いいとこね~」
スキップするように歩いていくが、温かいし、天気がいいので無理もない。
少し進むと花が徐々に見えだし、地面が白や青、ピンクと色とりどりになってきた。
「あら、きれいね~~ 」
見ると木々にも花が咲いているのがある。
これもいずれ実がなるのだろう。
花には所々、蜂が止まり蜜を集めている。
という事は蜂の巣を見つけたら、ハチミツが採れるか?
少し大きめの蜂だが、今の所襲って来る様子は無いので飼う事も出来るかな?
「少し大きいけどミツバチだね、ネビィ蜂蜜好きだもんね」
「あ、やっぱりわかった?」
「蜂蜜採れたらいいけど、殺しちゃうのはかわいそうだし・・飼えたらね」
やはりそうすべきか。
「木の実もあるよ、あの木!」
「あ、向こうにもありますよ、あっちにも・・」
フレアとジョーイが指さす先に赤や黄色、白の実が生っている。
小さな動物や鳥が食べているのもあるので毒はなさそうだ。
「私あれも少し取って来るよ」
ジョーイが木に登ろうとするがその前にジャンヌが止めた。
「登るまでもありませんよ」
素早く弓を構え、ほぼ真上へと矢を放つと実が二つ落ちて来た。
「これで落とせますから」
「さすがジャンヌさん、私じゃ矢を無くしそう」
ジャンヌは実を落とすし、矢は近くに落ちるようにして回収する気だ。
なるほどこれは上手い。
すぐに20個ほど、何種かの実が採れた。
「これくらいでいいですか?」
「すみませんね、こんなに」
フレアとジョーイで集めて味見をし目を輝かせた。
すぐに皆に配る。
「おお、これも美味いな、ここはまるで果樹園だ」
「ほんとね~」
そんな事を言っていたら、木から大きな鳥が木の実を咥えて飛び立った。
「お、鳥も美味そうなのがいるな」
「食料、豊富だもんね~ 鳥や獣だってよく育つよねきっと」
そうだ、肥えた土地と豊かな作物なら、動物も良く育ち食用にもなる。
ここはもしかして・・・・・
「お昼は焼肉にしない? 今回は焼肉のタレとか付け合わせの野菜を用意したんだ」
「そうそう、俺とジョーイでなるべく多く買っておいた」
ニヤリとして言った。
「昼からか? まあ悪くは無いが」
「鳥なら私が捕るよ! 今度は私が・・」
「じゃあ俺が獣を狩るか? ここなら肥えたのがいそうだしな」
「あ、この先池がありそう、 水の匂いがしてる・・川かな?」
リーシャが息を深く吸って首をかしげている。
「これは池・だね、 淀んでいない良い水だ」
ジャンヌが鼻を鳴らして確認した。
「じゃあ、魚もいるかな? 沢蟹とかエビも」
「それもいるといいな」
「ね~~~」
少し進むと木々の間から水面が輝くのが見えた。
少し大きめの池で、透き通った水で小さな魚が群れで泳いでいる。
「お、これは大きいのも居そうだな?」
レフが水辺へ寄って水中を見つめる・が、釣り竿は無いよな?
「槍で採るか? 深いかな?」
グロフが言うが、入って大丈夫だろうか? 底が泥だと危険では・・?
「自分がやろうか?」
Bランクのクリーグさんが口を開いた。
この人は無口で、今日初めて声を聴いたな・・・
「魔法でか? 全滅させるのはまずいと思うが、ほどほどに捕れるか?」
多分フレアーの魔法だとそうなるのだろう、暴走で。
「電撃で焦がしてしまった誰かさんがいるもんな?」
「それは言わない約束では・・・?」
「池の魚、ほぼ焦げてたもんね~」
「大丈夫、風魔法で十分捕れるから」
余裕といった様子で池に近づいて、杖を構えると水面を見つめて魔法を放った。
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