クリスタル・ロード 0104 新たな宝物
短めですみません。
地下遺跡、第三層
地下なのである。
しかし目の前に広がる草原、青空、白い雲、やや離れてあれは川か?池か?
チラチラと水面が輝いて、あちこちで生い茂る木が葉を揺らしている。
風が軽く吹いている。
どう見ても外である。
「「外だよな?」」
レフとグロフがハモっている、無理もないがこれは転移魔法だろうか?
外に飛ばされてしまったのか? この景色は見覚えが無いが、どこだろう。
「匂いが違うので私達の領地からだいぶ離れていますね、私がいた国とも違う」
「匂い? 匂いでわかるのか?」
「匂いで判断する訓練を軍で受けたので・・」
「へえ、そんな事出来るのか」
「でもここはどのあたりか不明ですね」
「ゴーレムで行くと戻ったとき遺跡を汚しそうだな、歩くか?」
なるほど、立派な遺跡を汚すのは気が引けるな。
「じゃあ、皆で歩くという事で」
「ここってマップする方がいいの?」
ジョーイが困っている やたら広いからマップしようにもどこまでか・・
「大まかでいいから頼む」
「は~い」
「見晴らし良いから迷いはしないと思うがな」
「では一応、私が方々へ目印を付けておきますよ」
ジャンヌさんがナイフを取り出し、木に矢印を刻んでいる。
「このように」
「うん、よろしく頼む」
それはそうとレフ達の荷物が少し多い? 大きなリュック?を背負っている。
「ずいぶん荷物が多いですね」
「泊まることもあるかもと思ってな」
「そうそう、それに食料関係も多めに・・ね!」
「そうですよ~ 、 後のお楽しみです ♪」
「私も~、 ネビィのお弁当も持って来たよ」
「ああ、ありがとう」
みなそれぞれ多めの荷物で、色々準備しているらしい。
気合が入っているからか。
振り返って入り口を見るとそこから遺跡が見える。
転移盤と違ってつながっているようだ。
近くに大木が有るし、よほど離れない限りは入り口を見失わないだろう。
「でもここにお宝が有るのかしらね」
「有り得るぞ、屋敷に隠してるよりわかりにくいだろ? この広さだしな」
「なるほど、埋めてあるなら探しようが無いか?」
「じゃあ自分達もどうやって探すの?!」
ごもっともだ、やはり杖に頼まねばならんかな。
皆武器もそれぞれしっかり持ってゴーレムから降りて歩き出す。
足元は短めの草の柔らかめな地面で歩きやすい。
低めの灌木もあり、土地が肥えているのか小さな実を多く付けたのもある。
少し実を取って調べることにしよう。
向こうでは見ない色形の実が有り、食用になるだろうか?
「ネビィ、実を取るの? 美味しいのそれ?」
「それも含めて、試そうと思ってね」
「毒があるかもしれませんよ、まず私が試します」
ジャンヌさんが言ってくれる。
「私は毒に耐性が有るので」
「あっちの木にも実があるよ! 取って来るね」
「向こうにもありますよ」
ジョーイとフレアも実を採りに行く。
ここはずいぶん果物や木の実が有りそうだ。
よほどいい土地なのだろう、さすがは貴族の領域だ。
「・・・・・・大丈夫なようですね、毒は有りませんよ」
「「「美味しい!」」」
ジョーイ、フレア、リーシャがそれぞれ違う実を食べて言った。
自分も食べるが・・・確かにこれは美味い。
手近なのを採っただけなのにこの味とは・・ まるで高級果物のようだ。




