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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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104/200

クリスタル・ロード 0104  新たな宝物

短めですみません。

地下遺跡、第三層


地下なのである。


しかし目の前に広がる草原、青空、白い雲、やや離れてあれは川か?池か?

チラチラと水面が輝いて、あちこちで生い茂る木が葉を揺らしている。

風が軽く吹いている。


どう見ても外である。


「「外だよな?」」

レフとグロフがハモっている、無理もないがこれは転移魔法だろうか?


外に飛ばされてしまったのか? この景色は見覚えが無いが、どこだろう。

「匂いが違うので私達の領地からだいぶ離れていますね、私がいた国とも違う」   


 「匂い? 匂いでわかるのか?」

「匂いで判断する訓練を軍で受けたので・・」


「へえ、そんな事出来るのか」

「でもここはどのあたりか不明ですね」


「ゴーレムで行くと戻ったとき遺跡を汚しそうだな、歩くか?」


なるほど、立派な遺跡を汚すのは気が引けるな。

「じゃあ、皆で歩くという事で」

 

「ここってマップする方がいいの?」

ジョーイが困っている やたら広いからマップしようにもどこまでか・・


「大まかでいいから頼む」   

「は~い」


「見晴らし良いから迷いはしないと思うがな」


「では一応、私が方々へ目印を付けておきますよ」

ジャンヌさんがナイフを取り出し、木に矢印を刻んでいる。

「このように」


「うん、よろしく頼む」


それはそうとレフ達の荷物が少し多い? 大きなリュック?を背負っている。

「ずいぶん荷物が多いですね」


「泊まることもあるかもと思ってな」

「そうそう、それに食料関係も多めに・・ね!」   

「そうですよ~ 、 後のお楽しみです ♪」



「私も~、 ネビィのお弁当も持って来たよ」

「ああ、ありがとう」


みなそれぞれ多めの荷物で、色々準備しているらしい。

気合が入っているからか。



振り返って入り口を見るとそこから遺跡が見える。

転移盤と違ってつながっているようだ。

近くに大木が有るし、よほど離れない限りは入り口を見失わないだろう。


「でもここにお宝が有るのかしらね」

「有り得るぞ、屋敷に隠してるよりわかりにくいだろ? この広さだしな」   


「なるほど、埋めてあるなら探しようが無いか?」


「じゃあ自分達もどうやって探すの?!」


ごもっともだ、やはり杖に頼まねばならんかな。


皆武器もそれぞれしっかり持ってゴーレムから降りて歩き出す。

足元は短めの草の柔らかめな地面で歩きやすい。

低めの灌木もあり、土地が肥えているのか小さな実を多く付けたのもある。


少し実を取って調べることにしよう。

向こうでは見ない色形の実が有り、食用になるだろうか?


「ネビィ、実を取るの? 美味しいのそれ?」

「それも含めて、試そうと思ってね」   


「毒があるかもしれませんよ、まず私が試します」

ジャンヌさんが言ってくれる。

「私は毒に耐性が有るので」


「あっちの木にも実があるよ! 取って来るね」

「向こうにもありますよ」

ジョーイとフレアも実を採りに行く。


ここはずいぶん果物や木の実が有りそうだ。

よほどいい土地なのだろう、さすがは貴族の領域だ。


「・・・・・・大丈夫なようですね、毒は有りませんよ」


「「「美味しい!」」」   

ジョーイ、フレア、リーシャがそれぞれ違う実を食べて言った。

自分も食べるが・・・確かにこれは美味い。



手近なのを採っただけなのにこの味とは・・ まるで高級果物のようだ。

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