クリスタル・ロード 0010 新ダンジョン発見か?!
その後、ギルドにいた4人組に雷玉を一袋渡す。
「おお、すまないな、銀貨1枚だったな」
大きな人が受け取る。
「払いは俺だろ、わかってるよ」
渋々、財布袋から出している。
「そのとうりよ、レフ」
「当然ですね」
気が合う仲間のようだ、さすがは冒険者グループ。
「これ試すときはなるべく街から離れてください、あの沢とか」
「そうだな、街中ではまずいな、やるなよレフ!」
「しねーよ、 なんで俺に言うんだ!」
「あなたがトラブルメーカーだからです」
「そうよねー」
やっぱり気が合うようだ。
「でもあの沢、しばらく近づきたくありませんね、そう思いません?」
「だよねー、またあの魔物来そうな? 子供を返したけど・・」
「降りなければ大丈夫だろう、投げ込むだけなら」
そこまでのところで聞かなければならない事を思い出した。
「すみません、あの首飾りの事なんですが、ちょっといいですか?」
露天商の事を言って、ずいぶん古い物らしいと伝えると皆でテーブルへ移動し話す事になった。
「高価ではないそうですが珍しい品で、どこで見つけたかと聞かれまして」
「ああ、あれは・・・」
4人が顔を見合わせ、うなずいた。
レフがゆっくりと懐から地図を取り出しテーブルに広げる。
ここがこの街で・・と指さしながら、沢に沿ってずっと行った先の山間部のあたりで魔物狩りをしていたと話し出した。
しかしなぜか皆、周りを気にしてか声が小さい。
「あの辺は小型で弱い魔物が多いから、俺達でもそこそこ稼げるんだが」
「だけど今回はさっぱりだったよねー」
「なぜか追い払われたようにお留守でしたわね」
「そこでだ、少し山へ入って探したんだが・・そっちもさっぱりでな」
そうしているうち暗くなってきたので、泊まる場所を決めようとしたら岩の間に屋根になるところを見つけたと。
「それがな、どうもダンジョンの一部だったらしい」
真剣な顔になった。
「先は崩れて進めなかったが隙間から奥が続いているのが見えたし、周りの岩にはな、よく見ると加工された跡があったんだ」
あの辺にダンジョンとは、初耳だ。
「朝になって改めてよく見ていたら、首飾りがあったんだ」
「崩れてなければね~、ダンジョン探索でお宝が見つかったかもね・・・」
「我々だけじゃ危険だ、どれほどのレベルかわからないし」
「そうですわ 未探査の所に4人だけなんて無茶ですよ」
「わかってはいるんだけど・・・・ うう」
「ダンジョン内は無理でも、もう少し探したかったが食料が切れてな、戻って来たというわけだ」
「その途中でレフがやらかしてね~」
ははあ、そういう経緯ですか。
しかしダンジョンを見つけたらギルドへ報告義務があったような?
それを言うと4人は顔を見合わせた。
「そうなんだ、そうなんだが・・ もしかしてまだ何か見つかるかも・・とな」
「そうそう、もうちょっと探してから・・なんてね」
「そうですね、まだ私達でもまだできることがあるのでは・・と」
あー だからみんな声が小さいんですね。
報告は少し後でと、そういうわけですか。
「君も黙っててよ、またお昼おごるからさ、ね!」すごく愛想良い。
口止めですか、まあいいですけどね。
「では露天商さんには、その辺の山で見つけたとだけ言っときますよ」
「それでいいわよね?、よろしく~」
みな頷いている。
少し騒ぎを起こしてしまったので、ほとぼりが冷めたころにまた向かうそうだ。
そのときは一緒にどうかと、誘われたが・・・少し遠い。
うーん、考えておきますと言って席を立った。
父さん達に聞かないとね、一応子供だし。
その時ギルドの受付にリーシャの母さんがいるのが見えた。
たぶん魔法塾のことで相談だろう。
声を掛けようかと思ったが忙しそうなので遠慮しておいた。
出口に向かっていると、なにやら外が騒がしいような? 何だろう?
ドアを開けると喧噪と、笛の音が入って来た。
あの、警戒を知らせる笛の音だ。
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