老人ホームで傾聴ボランティアをしていた時の話
いつもお読み下さりありがとうございます
よろしくお願いします
石鹸を作っている話で、毒物も劇物も扱えると言いました。
化学科ですのでね。
実は他に、図面を描いたりすることも出来る、建築関係の免許も持っています。
一番最後に取った免許はヘルパーの免許です。
知り合いに誘われて、10年くらい前に取得しました。
介護の仕事はしていないのですが、近所の老人ホームで傾聴ボランティアをしていました。
利用者さんとお話しをするだけですが、最初はどうしていいかわかりませんでした。
何度か通うと「前に話して楽しかった話は、何度話しても喜んでくれる」事がわかりました。
なので、この方にはこの話、この方はあの話…と覚えておき、次会った時には前に笑って話した内容を少し言うだけで「そうなのよー!」と、またニコニコ話してくれるのです。
他にも、食べ物の話しは、周りの方も巻き込んで盛り上げることが出来ました。
覚えている中では「あんこの煮方」が、一番盛り上がりました。
気難しいと言われる女性の利用者さんがいました。
そばに行くと顔を顰めるのです。
それでもそばに行き、なんだかんだと話しをします。
ある日その利用者さんが、私のおでこをぺちぺちと叩きながらこう言いました。
「あんた、可愛い顔してるのに、ココ(おでこ)が悪くて可哀想!」
(おかしいな…なんでおでこが悪いってバレた?)
「ココが、悪くて!可哀想!」
大事な事なのでしょう。二度言われました。
(可愛い顔は一度なのに!)
「あちこち行かないでここに居なさい!」
ああ…あちこち行って話している私の事を心配してくれたんだね…。
特に、男性の利用者さんと話しているのが気になったようでした。
大丈夫よー…「ありがとうございます」嬉しく思いました。
男性の利用者さんの中に農家の方がいました。
ちょうどテレビから、スローライフの話題が流れてきました、すると利用者さんが言いました。
「のんびりしてたら農家なんて出来ねぇ。朝から晩まで働いて、寝る前は明日の仕事の準備で、朝は早くから働くんだ。季節毎にやる事は違う。一年中休みなんてない」と。
…そうですよね。
きっと昔は、今よりもっと過酷な環境だったのかもしれません。
言葉に重みがありました。
他の利用者さんからは、戦争に行った話しも聞きました。
「この人は先生をしていたから、行かないで済んだんだ。俺は行ったよ。一緒に行ったヤツは一緒に帰って来れなかったなぁ」
先生で行かなかった方は、それはそれで辛い思いもあったのだと思います。
人生の大先輩のお話しには、いつも重みがありました。
ホームへのボランティアは、風邪の季節や、インフルエンザが流行り出すと行けなくなります。
風邪の季節、少しボランティアをお休みしていたら、時代はコロナになりました。
病院やホームなどは、コロナに対してまだまだ厳戒態勢だと思います。
私が傾聴ボランティアとして行く事は、もうないなと思います。
拙い文章、最後までお読み下さりありがとうございました。