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第4話  結晶の従者1

 一行はマナの家に着く。

晃京内で最も影響力のある海外宗教として、

都内某区の一角に組織を構えていた。

敷地は端から端まで見えないくらいとにかく広く、

一見、荘厳(そうごん)なヨーロッパの建築で

日本とかけ離れた家柄。

ここに来るのは初めてだけど、知り合いもいて

関係者の1人とはすでに会っていた。


「こんにちは」

「教会へようこそ。

 ロザリア・アヴィリオス、マナの母よ」

「あら、こんにちは聖夜君」

「ジネヴラさん」


マナの母親であるロザリアさんと姉のジネヴラさんが

自分を待っていてくれた。

母と会うのは初めてで、姉とは何回か会っていたが

場所が場所だけに、口数が減る。

例の結晶について詳細を説明してくれるという。


「さっそくマナから話を聞いたわね、なら早いわ。

 ACの回収に協力してくれるのよね?」

「ええ、俺も悪魔に襲われました。

 何がなんだか・・・」


悪魔の出現は彼女達にとって想定済みだったようだ。

現実離れした異界からの来訪者の群れに、

口で言っても理解してくれるはずがないから、

事件発生で素質のある自分を活かせるのを待っていた。

しかし、何故晃京から現れたのか?

仕掛けたのが人間なら、ここを狙ったのが不思議だ。


「まだよく分からない事がある。

 その真犯人は、なんで晃京を狙ったの?」

「人口の多い所ほど輸出入も多いの。

 宝石店も何か所かあるから、横領しにきたんだと思う」

「なるほどな」


ジネヴラさんも人口数が多いという理由を明ける。

つまり、彼女達と同じように自分も適性が高く、

来るべき機会がくるまで側にいたという。

マナだけでなく、母も相当な適性力で

自分も同様に通じる何かがあると伝えた。


「突然、こんな事態になってしまったから

 あなたも困惑しているでしょう。

 ありえない存在は突如として現れてしまったのだから」

「ですね、ACが自分と関わりがあると言われても

 実感が湧かないんです」

「聖夜君、あなたは相当なポテンシャルをもっている。

 私もふつふつと感じるくらいだわ」

「そ、そうなんですか?

 まったく体感もないですけど・・・」

「人が価値のある結晶を選ぶ。

 同様に結晶の従者も人を選んでいるの」

「悪魔が・・・人を?」

「ええ、彼らも人と同様に意識をもつ存在。

 刻印を理解し、手に触れた者の意識に応える

 異界の従者なの」

「結晶内の文字が分かる・・・別世界の」

「その世界が何なのかはまだ解明されていないけど、

 事態解決に事を欠かせないもの。

 あなたならきっとできるはずよ・・・それでは」

「は、はい」


ロザリアさんは客人の対応に回った。

思えば思うほど、事情の濃い話だ。

宝石を集める趣味から明らかに離れている。

歴史というのは人知れずに沈む話が数多くあるんだろう。

そういった界隈(かいわい)にいる彼女達も

異端児だったんだとあっけにとられる。


「3人とも、ずっと俺を見張っていたのか」

(だま)すつもりはなかったけど、任務だから・・・」

「人聞き悪いわね、まるであたしらが悪役令嬢みたいな

 立場じゃないの!」

「いや、そんなんじゃ・・・」

「ふふ、聖夜君は相変わらずね」


なんだか、ずっと前から監視された風な言い方。

組織体制から始まる程、硬くて重い要素がミッチリと

()き詰められて成り立っているようだ。

ここもそういった一派で、歴史的事実を元にした

結晶の(つな)がりがあるんだろう。

マナとジネヴラはベールをかぶる。

外見は西洋におけるシスターそのものだ。


「私はACの加護(かご)を受ける者。

 ゴールドルチルクォーツ、ゴールデンラブラドライトを

 所有する」

「私はレッドベリルの所有者。

 灼熱の守護者を内包するとされるACよ」

「黄と赤の、AC」


マナの両手に持っていた黄色のACがスパークした。

ジネヴラの手には赤いACで燃えている。

火と雷は現実的自然現象だが、結晶の中から噴出する

光景は普通なら幻想としか思えない。

しかし、事実。

彼女達は世の中で人知れずに抱えてきたのだろう。

そんな高位影響者が警告を告げた。


「近いうちに大きな出来事が起こる、晃京で何かが。

 ヨーロッパも対策しようと動いているって」

「外国もか?」

「そう、本家は欧州にある。

 だから、私達アヴィリオス家が対応しなければならない。

 お父様も来るっていうから・・・」

「そうか」


父、ロストフさんも晃京支部に来るらしい。

本部はヨーロッパで、本人も大司教だから

日本でいうなら師走(しわす)なもの。

アヴィリオス家の壮大な片鱗が見えた気がした。

これはもう現実だろうと認めるしかない。


「じゃあ、次は厘香の家ね」

「ああ」


海外も無視できないくらいの内容と、

そんな大きな話に、自分がどうこう出来る余地が

あるのかと内心不安にもなる。

次は厘香の家。

対する和風総本家の彼女の所はどんな仕様かと、

暗雲を振り払って向かった。

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