第3話 晶女の先導者達
2011年12月25日
次の日の朝。
支度を済ませた自分は彼女達と合流しようと
恐る恐る玄関のドアを開ける。
悪魔はいない。
それどころか周辺で騒ぎの音も聴こえずに、
いつもの住宅地の静寂そのものだった。
(奴らはいないのか?)
ニュースでも晃京各地で悪魔が出現。
人を襲っていた話が出始めていた。
本来はクリスマスなのに、騒げる雰囲気じゃない。
いつもなら、同級生に“お前が輝く日”とか
からかわれる事もなく迎える。
異物がやって来るなんて思いもよらず、
その正体を突き止めるために関係者の3人と
これからミーティングを始めるところだ。
前日に待ち合わせした場所、
ビルディングの並ぶ三子王川ライズに集合した。
「聖夜さん!」
「今来た」
都会の流れに乗る様にしれっと合流。
予定通りにマナ、厘香、カロリーナと会う。
3人の事をあまり周囲に話すわけにもいかない。
小声で現状を改めて聞いてみた。
「「この辺に悪魔はいないのか?」」
「「今はいないみたい。
午前5時くらいからいなくなったって」」
「「あいつらは夜にしか現れないのか?」」
「「そこが変なのよ、昼夜問わず発現する悪魔が
夜間しか出てこないなんてありえないわ」」
「「少し調べてみたんだけど、自然鉱石からの発現と
判断されていないからなんとも。
自然発生じゃないのは確かなんだけど・・・」」
時間帯別に現れる現状については彼女達も
不思議がっているようだ。
太陽光の有無で悪魔の発生に関わりなし。
先の話では謎の文字を刻んだ宝石だけ発生するから、
人の手が加えられた存在である結晶だけに、
仕掛人がいる線が強まった。
(本当の事を知るのは一部の人だけ。
俺もこれからそこに入る事になる)
周りには人々がたくさん歩いている。
晃京には日本で最も人が多い中で、
何か企む者などいくらでもいるだろう。
彼女達はACに携わる者として人知の理解できない
結晶という世界を24日より明らかにした。
こうして自分も混乱の中で足を踏み入れている。
何らかの形で裏側に事情があるらしいこの集まりは
あまり公にできる話にできない。
何も事情を分かっていない中でどうしたら良いか、
今は3人の協力なしに始められなかった。
「そうか、これからどこへ?」
「私の家に行きましょう。
次は厘香さん、最後はカロリーナさんの所へ」
「分かった」
まずはマナの家に行く。
都内にあるアヴィリオス教会。
言葉では言えないが、いかにもな場所で
内心、どこか落ち着かなくなる。
友人の家に行くだけなのに、
なぜか胸騒ぎするような気がしてならなかった。