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プロローグ  漆黒の掌握者

人という生物は金属を宿す塊である。

生きとし生ける命はあらゆる外界にも意思と共に、

念を伝い通じてどれだけ離れようとも常に隣接、

互いの結晶を見据えて存在しているのだ。


        著 ドゥアルテ・クラーク


1992年8月15日


「こちら第9部隊、応援を要請する!」


 1人の自衛隊員が救援要請を送っていた。

晃京(こうきょう)、縦浜区に数百人に及ぶテロリストの対処で、

隣接に配置された部隊から応答がなく、

奇襲に遭って散り散りにされていた。

湾から潜水艇で侵入され、海上保安庁すらも攪乱(かくらん)

武装を万全に整えていなかった故に、

銃を所持した海外の者達によって侵入され、

港周辺で銃撃戦を繰り広げていた。


「AとBがロスト、現在のチームでは余力がありません。

 敵予想数、ホットゾーン拡大する模様。

 部隊長!?」

「我々だけでは無理だ、誰か来てくれェ!」


相手も同様にライフルを複数所持しているようだ。

隙を見て湾から這い上がり、すでに上陸。

あたかも地形を正確に把握したような立ち回りで

自衛隊の防衛ラインを崩しにきた。


「「こちら第13ぶぶたい、すぐ、おうえ――」」

「ぐあっ!?」


不意を突かれて液体貯蔵庫に砲撃。

爆発で巻き込まれ、隊員達が火の粉塵に散る。

自分は通信中に脚を撃たれて転倒。

反撃したくも自動小銃の弾丸は(から)

建築物にカバーしながら潜んでいた敵に奇襲を受け、

部隊員は次々と射殺されてゆく間を忌み、

目を逸らして頭を横にすると、何かがある。


(これは・・・?)


黒い塊が側に落ちていた。

いつあったのか分からない。

ガラスの様な光沢があるが、周囲の破片ではない。

だからといって敵性をどうこうできるわけでもなく、

自分にできるのは握りしめるだけ。

死を待つだけだったその時だ。


「ぐ、うおおおおおおおおおぉぉぉ!!」


黒い液体が塊から放出。

(こうがい)の様な頭部と細長い形へ変わり、

相手の体にまとわりつき、喰らい付いてゆく。

自身も、体内から何かが抜けているような気で

辺り一面に視界は塞がれてゆく。

状況は不明。ただ、暗闇だけが覆いつくされて

先は何も()えずに叫び声だけが聴こえてくる。

何分経ったのかそれら無数の音が止んだ時、

テロリスト達は跡形もなく消えていた。

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