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38話目 FIN
ちょうど一周忌 12月28日
やっぱりちょっと泣いちゃった。
あれから様子を見てみようってことで、雑貨屋さんをもらった。
アオ君との思い出がいっぱい。
ずいぶんと住みにくくなったなぁ、ってこの街に思う。
アオイがまだお腹にいた頃、「近所デート」をしていたから。
毒気を持った街路樹とか、モノレールとか、公園にある葉桜を愛でたりとか。
アオ君との美しい思い出が、涙として目からあふれそうになる。
まだ若い身空で、みたいに言われたりするの案外とツラい。
タモツ君が次の恋人なのかたずねられるのもツラい。
でも、この街から出て行きたくない。
ふと、タモツ君が言った。
「今、アオイ君お昼寝中、一緒に異世界行きませんか?」
しばらくの間ののち、私はタモツ君と夢の中でレオンハルトに行きたいと思った。
少し様子を見に行くだけ。
多分。
この日記を、ここで終わろうかと思う。
これからアオイがアオ君の役割を継ぐかもしれない。
そして少しだけ見て来る異世界について、もう記述するつもりはない。
この雑記帳は、将来のアオイのためにとっておこうかと思う。
これが誰の目にふれることもないことを願って。
仕掛けをしておこうかと思う。
※この記述はファンタジーです。
書記 彩花
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