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30話目 泪
3月7日
目覚めたのは昼過ぎで、お風呂に入ってアオ君の雑貨屋さんに行った。
店内には『親戚の金城さん』がいた。
アオ君がこちらに気づいて、親戚さんに店を任せた。
すぐに手をつないで引っ張られるように2階の居住区へ。
その間、無言だったアオ君は大きく深いため息をついて振り向いた。
両手を広げて「おいで」と言われる。
それに安心した私は声出して泣いた。
アオ君は優しく私を抱いてくれた。
ベットの枕元に置いてある水色のクマのヌイグルミ『セール』を手に取った。
セールの背中を掴み、正面を私に向けてコミカルな・・・
子供をあやす時のようなことをされた。
声色を使って「やぁ、僕はセール!笑ってる君はとっても素敵だよ」とセリフ口調。
思わず笑ってしまう私。
私「セールの声と全然違う」
「そうかなぁ?」とアオ君。
「今夜も夢の中で会えますか?」
この質問に真剣な顔つきになったオア君は、ふと表情をやわらげた。
「君が望むなら」
「はい」
「うん」と言って、アオ君は溢れてきた私の泪を指でぬぐってくれた。




