16話目 寝顔
11月18日
昼過ぎ、お客さんの少ない時間帯を選んで雑貨屋にアオ君を求めた。
残りの客をあしらうまで店内をぶらぶらしていた。
今日も真珠飾りのブローチをボリュームニット帽に付けて行った。
「それ、気に入ってるの?」
私以外がいなくなっていた店内で、アオ君が声をかけてくれた。
「はい・・・」
数秒して、アオ君はガラス扉を閉めて『準備中』の札を扉の取っ手にかけた。
室内のカーテンを閉めて、そして再び私に見入る。
「私・・・あなたの・・・何なんでしょうか?」
「いずれ嫁になればいいと、僕はすでに思っている」
「あの時、『無理』って言ったのは・・・気恥ずかしかったんです・・・今もだけど」
「・・・どういう意味?」
「今だったら、ささげてもいいかなって・・・思うんです・・・」
「・・・え?」
「どうやったら通じるんですかっ?」
「まさか君、ヴァージンなのっ!?」
「恋人もいたことないです。だから急にあんなことはじまって困ったんです」
「困る?」
「恥ずかしくて・・・知識としては何となく持ってる気がするけど、したことはないです」
「・・・僕にささげてくれるの?」
「・・・はい」
アオ君は私を抱き寄せて、かぶせるようにななめにキスをした。
やっぱり困って抵抗した私が、
「お店の中ではイヤです」と言うと、彼はうなずいた。
「僕、我慢してたんだからね」
二階の居住区に上がって、ベットに誘われて、なんだか怖くなった。
「大丈夫。一緒に試行錯誤しよう?」
このあと、初めて、ってやつを体験して、アオ君に
「今日からお付き合いしよう」
って言われた。
にぶく痛むのですやすや眠っているアオ君の寝顔見つめていると、
私も少し眠ったらしく案外と時は経った。




