13話目 ハロウィンの夜
今年は特にハロウィンパティー的なものに参加せずに、早めに眠りについた。
――・・・夢の中、アオ君は本を広げていた。
「毎年、病院にいる子供たちに夢の中で朗読をしてあげているんだ」
なんとなくふんわり浮かんだイメージ。
キノコの家の扉をアオ君のエスコートでくぐり、衣装チェンジ。
『セクシーナース』→白衣スカートに、豹柄の眼帯とニーハイソックス。
胸元がざっくり開いていて、アオ君がぎょっとしていた。
(ってことは、衣装はアオ君が決めてるわけじゃないんだ?)
「怖いよぅ・・・誰かいるの?」と、病室にいる子供たちの声。
「うとうとしている子供達を楽しませるミッションだよ」とアオ君が言った。
側にあった電気のスイッチを「ON」にして、室内を明るくする。
イメージをセールに送ると、なるほどなぁ、とアイテムを出す準備。
「アオ君、アオ君、指、パチンってやつ、して?」
不思議そうなアオ君が指を鳴らすと、箱の中にカラーボールが沢山入っていた。
上半身を持ち上げて不審な気持ちでいっぱいであろう子供達がこちらを見ている。
「ハッピーハロウィン♪」
私は壁に向かってカラーボールを投げて見せて、夢の中だからいいんだよ、と言う。
こわごわカラーボールを投げた子供たちが、弾けたあとを観察したりする。
「みんなで一緒に、投げてみようか?」
なんとなく遊んだあと、飛び散った色々な色痕を気にしている子供達をベッドに戻す。
「アオ君、アオ君、天井に投げてみて下さい」
「よく分からないけど、してみるよ」
いくつか天井に投げてもらって、私が部屋の電気のスイッチを「OFF」にする。
すると蛍光色の色んな光り方に変わって、子供たちがわぁと感動していた。
「今年も見れなかったけど、天の川ってきっとこんな感じだ」
「起きたら担当医さんたちに、なんでか聞かれないかなぁ?僕たち多少光ってるよ」
「大丈夫だよ、これは夢の中。もうおやすみ」
「「おやすみなさーい」」
優しい香りがふわふわするようにセールに頼んだカラーボールの成分。
夢から覚める前に、アオ君は「素晴らしいハロウィンだ」とほめてくれた。




