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君に僕の心臓を食べてほしい。

作者: 七瀬







僕は、重度の心臓病で。

産まれてから、その事が直ぐに分かった。

だからね。

僕は、ずっとこの世に生まれた時から病院の中で生活している。

僕の部屋は、509号室だ。

この部屋が、僕の部屋。

パパやママも、ずっとここに居てくれるよ。

ママは、僕に付ききり。

パパは、仕事が終わると509号室のこの部屋に帰ってくるんだ。



・・・それと?

僕には、3つ下の妹もがいる。

僕は、妹といるときは頼れるお兄ちゃんを演じているんだ。

本当は、泣きたいぐらい辛し! しんどい時もあるけど。

僕は妹から見れば! “お兄ちゃん”だから!

可愛い妹には、たくさん迷惑もかけているしね。

特に!

ママを僕が“独り占め”しているから。

本当は、妹だって! ママにたっぷり甘えたいと思っているはずだ。

だけど? 僕の心臓が悪いから、僕はほとんど毎日のように

体調が悪くなって! ママは僕ばかり構うことになるんだ。

妹には、いつも悲しい思いをさせてしまっている。

パパは、能天気な人だから。

あんまり、妹が寂しい思いをしているのかは分かってないと思うんだ。




 


 



僕は、産まれた時から長く生きても10歳ぐらいだと

言われていたのだけど、、、?

家族の支えと医学の進歩で、14歳になった今も生きている!

あと10日もすれば? 僕は15歳になるんだよ。



僕の主治医の先生も、凄く驚いているんだ!


『本当に、誠君は頑張ってますね? お父さんお母さん!』

『はい! それもこれも、先生方のおかげです!』

『いやいや? 誠君の頑張りのおかげでですよ。』

『先生には、なんてお礼を言っていいのか?

『お気遣いなく、これも医師の役目ですから!』

『ありがとうございます!』




僕の心臓の為に、たくさんの人たちが僕の為に頑張ってくれている。

僕も、必死で生きないといけないと思っているんだ!




・・・それに?

僕には、好きな女の子もできたしね!

その女の子も、この病院にずっと入院している女の子なんだ!

彼女は? 特殊な病気で、世界にも稀な病気らしいんだよ。

治療法も改善方法もないし薬もないんだ!

ただただ、病気の進行を遅らせるだけ。




そんな彼女に、僕がこう言ったんだ!


『君に、僕の心臓を食べてほしい!』

『えぇ!?』

『もし? 僕の心臓を君が食べたて、君の病気が治るなら

僕の心臓を君は食べてくれる?』

『うーん? それは無理かな。』

『どうして?』

『私が、貴方に私の心臓を食べさすからよ!』

『なんだよ、それ?』

『・・・貴方は、もっと長生きして!』

『・・・・・・』 

『私ね? もう、そんなに長く生きられないみたいなの。』

『えぇ!?』

『ごめんね、』

『・・・・・・』





・・・凄く! ショックだった!

彼女の口から、あんな事を聞くなんて!

彼女が、あんな風に言うなら、、、? 

もう、長く生きれないんだと思った。

僕もそうだけど?

自分の体の事は、自分がよく分かっているからだ。

僕はその日。

彼女の事を、ずっと考えて一睡も眠れなかった。




・・・それから、

急に、看護婦さんたちが朝早くから慌ただしく動き始めた。

僕は、何事かと? 部屋から飛び出して。

看護婦さんたちが入って行く部屋の番号を見る。



まさか!? 彼女の部屋だった!

部屋のドアは、閉まっていたけど? 部屋の中で看護婦さんたちや

先生が大きな声を出して指示を出している。




・・・あぁ、アケミちゃん。





 






彼女は、急に発作が起きて。

心肺停止になり、医者や看護婦さんたちの治療もむなしく......。

亡くなってしまった。




僕は、こう思う!

もし? 僕の心臓を彼女に食べさせていたら?

君は、死ななくてすんだなのかなって。




 

最後までお読みいただきありがとうございます。

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