なんでこうなった?
ほんの出来心だったんだ…ただ…ただ今の自分を変えたくて。
ただ、周りの人に自分を見つけて欲しかった。
それだけだったのに…
なんで今こんなことしてるのかな!??
「ユキ〜〜??聞いたわよ!?」
そんな風に怒ったように困りながら聞いてくる姉を横目に僕は、
「だから?」
そう返した。
それがいけなかったのかもしれない。
ーー・・・プツンッ
あっ、と思った時には遅かった。
「あんたねぇ!どれだけ姉を困らせれば気が済むの!?ただでさえご近所さんから暗くて薄気味悪いとか幽霊かとか言われてるのに!またそういう風に言われるなら分かるわ!」
ここで近所から言われてる悪口を言わないで欲しい。
気にしてるんだぞ……一応。
ただ!と姉は続けて言う。
「ただの一般の国民が入れもしない王家管理の書庫に入っていくのをみたって人がいるのよ!?あなたは何をしたわけ?!ただでさえこの家族はおかしいって言われてるのよ?」
後半は完全に姉の本心だ。
僕の家フォンセ家は、代々鑑定士や学者などで国に貢献してきた。
かくいう姉も医療研究者として現在進行形で貢献している。
そんな一家のお荷物になってる厄介者が僕だ…。