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決別

よろしくお願いいたします。


少し離れたところまで逃げることができたコトハはイリスからヤツについて聞いていた。

ギアウルフと一緒に出てきた角の生えた熊、ホーンベアという生物で

奴には他のホーンベアの個体に無い空間を支配する能力を持っている。



空間の支配はホーンベアが何らかの形で体に取り込んだルールファクトという

この星にいくつか存在する概念を宿した物質の影響で起きている事象で

ホーンベア自体の力はそこまで脅威ではないこと。



しかしルールファクト欲しさに幾つもの国が名乗りを上げて討伐に向かうも

帰ってきた討伐隊は一人もいなかったという。


 

国と戦える熊か…ちょっとかっこいいな…



そう思っていると脳裏に一瞬あの上部からの一撃が浮かび

咄嗟に飛び退くと、またも同じ手がそこにあった。



「これはこれは…そっちから来てくれるなんて手間が省けたな」

少し離れたところに角が水色に発光したホーンベアの姿があった。



その瞬間俺はためらいなく冷静に頭に照準を向け引き金を引く。

危険を察知した奴は手で頭をガードしようとしたが、銃弾は手だけで無く

腹、足に命中して血しぶきを上げている。



奴は予想外の出血と痛みに叫びをあげる。

「悪いな、特殊な散弾が入ったマガジンに代えさせてもらった

 お前が今まで相手してきた弓なんてちゃちな遠距離武器の

 威力とは桁が違うだろ?」



それを見たイリスは驚いていた、確かに強いと思っていたが

あんな武器を見たことがなかった、恐らくコトハの星の武器なのだろうと

理解した後、イリスはとどめのために奴へ距離を詰める。



しかし、奴は空間を歪めどこかに逃げてしまう。

「大丈夫だ、俺の銃弾には細工がしてあるから出血が止まることはない

 あとは瀕死の奴を嗅覚で見つけ出してイリスがとどめを刺せばいい」



探すのにはだいぶ時間がかかるだろうがな…

かなり遠くに逃げた可能性はあるがもうあの一撃でどのみち奴は…



しかしそんな考えは甘く、また脳裏にイリスに対して背後から攻撃してくる

ビジョンが今度ははっきり見えた。



急いで助けようとするが、タイミング的に間に合わない…

俺は最速でイリスにタックルした。

そして背中に一撃受けてしまった。



「ぐっ…」奴も俺たちに一矢報いるために機を待っていた。

「コトハ!?」イリスは無事みたいだな…



もう奴は逃げてはいなかった、俺にとどめを入れ食べようとするビジョンが

脳裏によぎった。



俺はマガジンを入れ替えておいたもう一丁の黒の銃を放つが、

散弾は一発だけだが着弾したにも関わらず奴は構わず俺に襲い掛かってくる



痛みにひるむことなく俺の前に来て捕食しようとする。

…がそのギリギリで奴の動きは止まる。



「ワイヤー弾…見えるか見えないかの細い糸だが、お前には見えて無かったみたいだな…

 それじゃあ…今度はお前が報いを受ける番だな」



そして一瞬で奴に肉迫したイリスが振り上げた剣で首を両断する。

「終わったよ…お父さんお母さん」

そうぽつりとつぶやくイリスは少し泣いていた。



俺は切れかかる意識の前にある行動を済ませてそのまま意識を失っていた。


ありがとうございました。

次もよろしくお願いいたします。

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