鉄の雨
よろしくお願いいたします。
俺は急いだ…。最期に見たイリスの顔が何かを決意した顔だったからだ。
グランにイリスの両親の話を聞いた時、イリスが何をしようとしているのか
理解した。
脳のソルグレイヴにより進化した嗅覚で、イリスの居場所をたどり洞窟に
入り先を急いだ、するとそこにはオオカミに囲まれているイリスの姿があった。
一斉にイリスにとびかかるオオカミに俺は銀色に輝く銃を胸から抜き、
冷静に一匹一匹に、銃弾を当てすべて倒した。
「なーにやってんだ?こんなところで」
わかりきった質問をすると彼女はどうして…。とだけ言うので
「グランからイリスの両親について聞いちまったんだよ
勝手に聞いてわるかったな」と答えた。
しかしイリスは慌てて「ここがどこかわかってるのですか?
このままじゃコトハも無事に帰れないかもしれないんですよ?死んじゃうんですよ?
私はいいんです…もう家族はいないし…悲しむ人はいないんだから。でもあなたは…」
イリスは俺を心配して説得するが俺は
「俺も家族はいねーよ…地球人で生き残ってるのは、もう俺しかいないかもしれねぇ…
それにイリスが死んだら村の人全員が悲しむだろ?
……まぁでもそんなのは関係ねぇ…」
そう言いながら息をひそめ飛び掛かってきた5体のギアウルフを撃ち抜き、
「イリスには命を救ってもらった借りがある…それを返せねえまま死ぬとか…」
どこに隠れていたのかギアウルフだけでなく角の生えた熊のような奴が群れで
現れ向かってくる。
「俺が許さねぇ!!」
二丁目の銃を取り出し敵意を向けてきた対象すべてに容赦なく銃弾をぶち込む。
その時撃ち終わりを狙って背後から一体のギアウルフがコトハに一矢報いようと
飛び掛かる。…がそれをイリスが一瞬で間合いを詰めて切り伏せる。
「許さないっていうなら私も同じです…勝手に私を助けて…
勝手に死ぬなんて…絶対に許しません」
イリスはもう自分の命を諦めることはなかった。
再び戦う意思を取り戻す。
「じゃあ生きてここを二人で抜けるしかねえよな…仇を討って」
それを聞いたイリスは、そうですね…と決心したその時、
コトハの上部の空間が歪んでいくのが見えたそうそれはまるで…
父が背後から受けたあの不可解な攻撃の様に…
イリスは咄嗟にコトハの服を掴んで自分のもとに引っ張る。
すると歪んだ空間に穴が開き鋭い爪を持った手がコトハの
いた場所の岩肌を削りとった。
いきなり体を引っ張られ訳の分からないコトハだったが
引っ張られながら自分の位置に見えた手を見て理解した。
「こいつがイリスの両親を…でも一体どうやって」
するとイリスは焦りながら、「気を付けて!アイツは空間を自由に繋げて
攻撃してくるんです…一旦引きましょう!」
そして二人は洞窟を抜け少し離れた場所に移動する。
ありがとうございました。
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