旅の準備
よろしくお願いいたします。
小さくなった木材の破片をソルグレイヴに取り込んでその木材で
倉庫を生成したのか…便利な力だな。
「…それじゃ見るね」
イヴは倉庫に入った後、椅子に座るながら俺を見る
イヴの眼が少し緑色に発光している。
俺はなぜか自分のすべてが見られているようで寒気がした。
「…すごい…稀にあることだけど脳にソルグレイヴが宿ってる…」
てっきり足かと思っていたが脳に宿ったことを自分で認識した時、すべて理解した。
収納し生成する、その作業をずっと前からしてきた習慣の様にできるように
なっていた。
「もう理解できてる…」
そういうとイヴはずっとこっちを見て観察している。
「なるほどイヴは…その目が」
見られている時、自分の内側まで見られたような感覚があったのはそういうことか…
「そう…私の目は透視や遠視そして未来視みたいにいろんなものが見えるの…」
未来が見えるのか、地球だったら占い師で商売できるだろうな。
「君はたぶん物事の事象の理解が異常に早くなっているの…
全身へ命令を出す脳の活性化で五感のすべてが異常に発達している。
身体能力とかも…あと多分私の眼でも見れない何かが…」
なんか人間離れしてしまった様な気がしてなんも言えない気持ちになる。
「そうか…ありがとな、これでこれからやっていけそうだ。
ところで何作ってたらあんな爆発起きたんだ?」
ここに来てすぐ抱いていた疑問を聞いてみると、
「ソルグレイヴで収納した材料を使っていろんな物を作れるのは
理解してるよね?
でも構造の複雑なものや多数の材料の使われている者は生成できないの…」
そういってイヴは緑に輝く石を取り出し、
「この石はEストーン、この石に触れて作りたいものを想像して作成したら
さっき言った複雑な物もできるの…この石で爆弾作ろうとしたら
ちょっと失敗しちゃって…」
そうかまだ子供だし仕方ないな……とはならねーよ!
なんで爆弾なんて作ろうとしたんだこいつ…
そしてコトハはその石に触れた瞬間、今まで人生で生きてきて触れた物が
作れることが認識できた。
アノ武器も生成できる…!
「この石ちょとだけ貸してくれねーか?少ししたら返すから」
そう聞くとイヴは、「あげる…Eストーンはすぐ手に入るから…」
ということらしいのでコトハはグランとイヴに感謝した後、
村の人が作ってくれた家に帰ることになった。
帰った後俺はある武器をを作るためEストーンで生成対象の材料を
確認して明日に備えて寝ることにした。
その後5日間ほど経ち、この村で暮らしてイリスやイヴ、村の人とも仲良くなって
居心地のいいこの村のことをコトハは気に入っていた。
見知らぬ異星人に優しく分け隔てなく接してくれた彼らには心底感謝している。
たった5日だったが俺は文明の低いこの村に
井戸や水路を利用した作物の育て方などを伝えて村の人に
感謝されていたが、一番喜ばれたのは風呂だった。
この村の人は水でしか体を洗ったことがなかったのだ。
初めて風呂に入った時の村の人達の顔を見て笑ってしまったことなどを
思い出し、この村に来てくれてありがとうと言われたことを思い出す。
そんな村と後数日後に別れを告げなくてはならないのを本当に悲しく思う。
コトハはこの星での生活のことを考えながらもずっと自分たち地球人乗っていた
母船の行方、脳裏に浮かぶ優しい顔をした女性が気になっていた。
「やっぱり思い出せねぇ…睡眠装置に入る前何かがあったんだ…
なんか大事なもんが…」
いくら思い出そうとしても出てこないのでコトハは諦めた。
ソルグレイヴ及びEストーンによる生成などに慣れて、一人で野営もできる。
「そろそろ準備しないとな…」
ソルグレイヴに十分な物資を大量にため込み出発に備える。
いつものように森に入り、木を伐採し回収したり採掘をしていると
イリスの姿が目に入ったため、こっそり後についていった。
するとグランから立ち入ることを禁止されていた森へ入っていった。
注意しようと声を掛けようとする前にイリスは木から木へと飛び移りながら
高速で移動し、一瞬でどこかへ行ってしまった。
仕方なく帰還した俺はグランのところに向かい、さっきあったことを
話した。
「あの森の先には何があるんだ?別に入りたいってわけじゃねーけど
なんで立ち入り禁止なんだ?」
そう聞くとグランは、「人がそうであるように、動物にも
危険な種がいるのじゃよ…あの立ち入り禁止の森の先には特に
大量の危険な種がたくさんおるでな…」
そんなところにイリスがなぜ…
「あの子のことなら心配ない、あの子はこの近辺で一番強いしの、
わしらが行ったところであの子の足枷にしかならん」
だとしてもあの先に何があるのだろうか。
「あの先に何かあるのか、なにか特別な」
するとグランは少し険しい顔になり。
「あの子の両親があそこで亡くなったのじゃよ…
イリスが幼いころにな」
グランからイリスの過去について聞いた後、嫌な予感がした俺は急いで家に戻った後、
森へと入っていった。
ありがとうございました。
次もよろしくお願いいたします。