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幸せでいることシリーズ

お兄ちゃんが、ずうっと幸せでいること

作者: 琥珀猫幸
掲載日:2020/03/23

幸せでいることシリーズさっちゃん視点です!

ぜひ、ご覧ください!

お兄ちゃんが死んだ。

なんで私を置いてっちゃったの?

お兄ちゃんがいない世界なんて意味がない。

なんで。

なんで。

何それ。

笑えないよ。

お兄ちゃんは、私のお兄ちゃんでしょう?

勝手に死なないでよ。

苦しいよ。

悲しいよ。

寂しいよ。

ほら、私、泣いてるよ。

いつもみたいに、慰めて。

ねえ、慰めてよ。

なんで。なんで、お兄ちゃんなの?

お兄ちゃんがいるから、私は生きてる。

お兄ちゃんがいるから、笑っていられる。

いつもみたいに、子供っぽいでもいいから。

私の隣で、笑いながら、お話してよ。

ほら。お願いだよ。

もう、わがまま言わないから。

もう、泣いたりしないから。

もう、迷惑かけないから。

帰って来て。お兄ちゃん。

いつもみたいに、

「おはよう。さっちゃん。元気?」

って、話しかけて。

お兄ちゃんと一緒に居られるなら、なんだってするから。

大嫌いなピーマンだって、グリンピースだって、パセリだって食べるから。

だから、お願いだよ。

お兄ちゃんが居なかったら、私が生きてる意味なんて、ないんだよ。

勝手に居なくならないでよ。

お兄ちゃんが居ないこんな世界なんて、大嫌いだ。


***


いつもと同じように、時が過ぎる。

こんな世界が、憎たらしい。

私はいつも、お兄ちゃんの部屋にいる。

そしたら、そこにお兄ちゃんがいるような気がするから。

空は青い。

鳥も鳴いてる。

いつものように太陽が昇っている。

でも、お兄ちゃんが居ない。

それだけで、この世界は喪失感であふれているんだ。

いつも、私はもう小3なのに、同じように話しかけてくるお兄ちゃんがちょっぴり憎かった。

私だって、大人なんだって。

お兄ちゃんの言う通りだった。

私、全然大人じゃなかったね。

ああ、いつものように回る世界が、たまらなく憎い。

お兄ちゃんが居ないこんな世界なんて、大嫌いなのに。

この世界は、そんな私にかまわず、平和なのだから。

ただただ、私の目から、涙がこぼれた。


***


お父さんとお母さんが、私のことを心配そうにドアの外から伺っている。

ごめんなさい。お父さん。お母さん。

今は、まだ、無理なの。

わかってる。

いつもみたいに、学校の友達に、

「おはよう!」

って言うべきだよね。

そしたらきっと、またおんなじ日常に戻って、笑顔になる。

何かが変わる。

でも、怖いんだ。

どうしても、怖い。

私の日常から、お兄ちゃんが消えるのが。

お兄ちゃんの残り香も、ポツポツと消えていってることなんて、きづいてる。

ただ、そんなの認めたくないだけ。

ああ、私の大好きな人たち。

もう少しだけ、待ってください。


***


ああ、大丈夫だった。

でもね。信じてるよ。いつか、また、会えるって。

だから。

お兄ちゃんのことを、忘れない。

だって私は、どんな大好きな人たちの中でも、お兄ちゃんが一番、大好きだから。

いつか、また、会おうね。

ずっと私は、お兄ちゃんのこと、大好きだよ。

だから、たまにお兄ちゃんのことを、思い出す。

たまに、お兄ちゃんと一緒にいたいと、切実に、願う。

これくらい許してね。

でも、一番に、願うのは。

泣きたくなるくらい、大切で。

苦しいくらい、大事な。

お兄ちゃんが、ずうっと幸せでいること________

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