お子様ランチは回収されて昼食
「かんどうしました! 私たちの想いが絶妙に盛られたお子様ランチが回収されていきました先輩!」
「そうだな……回収されたな」
「あの、本当は達成感のあまり全員が総当たり戦みたいな感じで抱き合うべきだとおもうんですけど、そうすると抱き合う組み合わせが……あれ? この前授業でやったんですよ」
阿田さんがあたあた計算している。
なんか毎回台詞が変わった感じでいいよね阿田さん。
僕たちは審査がある間、暇なので会場内で待つ。
昼食をここの美味しいという噂の食堂で食べることにした。自分たちで作った料理は回収されて、他の人が作ってもらった料理を食べるというのは不思議な感じだ。
でも、きっと超すごいお子様ランチがあるんだろうな……!
「……ない、メニューに見つからない」
「当たり前だよたうちゃん。料理専門学校だよここ。学食にお子様ランチあるわけないじゃん」
「……そういえばそうなのか。お子様ランチの需要はないのか」
お子様ランチってそういや小さい子供しか食べないものだった。なんか忘れてたわ。
食べてもらう前の時点で、なんだこの幼稚なメニューふざけてんのか失格とか今更だけどないよね……?
大丈夫だよな。レシピも提出してるんだし。
僕たちはそれぞれ注文して、いわゆる学食というか食堂と同じような流れでトレーを持って流れるように移動。
僕はなんとなく、ラーメンを注文した。
自分ではほとんど作らないメニューだ。
しかしな、ラーメンもまた極めがいがあるだろうなとも思っている。
子どもに人気のメニューの一つがラーメンだと思う。
てことは、プレートにこだわらず、ラーメンをメインにしたお子様ランチだってあってもいいんだと思う。
とか考えてたら、どんとチャーシューもちゃんと分厚い結構な量のラーメンがトレーに置かれた。
出て来るの早い。
さて、みんななにを頼んだのかな……?
「みんなラーメンだ。なにがあった……」
「本当ですね。多分最近お子様ランチを試食しまくっていたという同じ条件に置かれた人たちなので、同じ味を欲するんですよ」
中見さんが言うとちゃんと理由を考えて言っているように思えるけど、おそらくこれは中見さんの冗談。
僕たちは、色々な学校の人が座っている食堂を見渡して、空いているいているテーブルを探した。
お読みいただきありがとうございます。
最近のんびりした感じが不足している気がするので、次話は、後輩たちとのんびりする話にしたいと思います。